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Step up!
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Step up! 18

正午過ぎ。桃色花園に到着した。
「まずは民宿へ行って荷物を…」
ベンジャミン先生の伯父・ルシャトリエさんが経営している民宿。ドアを開けた。
「こんにちは!」
「いらっしゃい。ベンジャミンの生徒さんだね。」
「はい、お世話になります。」
「じゃ、さっそく部屋に案内しよう。こっちだよ。」
階段を昇りすぐの二部屋が、4人の寝床だ。
「こっちが女性の、こっちが男性の部屋。ゆっくりしてくれ。荷物を置いたら、お昼の準備が出来ているから、1階の食堂へおいで。」
「はい。」
部屋のクローゼットに鞄と杖をしまった。
「部屋、広いね。」
「4人部屋って感じだね。」
4人は泊まれそうな部屋を二人で使うのだから当然だ。
「見て、メアリー!お花畑、すごくきれいだよ!」
日当たりの良い出窓から外を眺める。
「わぁ…。」
一面に広がるピンク。遠くには、水色と桃色の境目が見える。
「…怖く感じるけどね。きれい過ぎて。」
「…うん。」
「早く飯食いに行こうよ!」
ボーッとしていた二人は、マイケルに呼ばれた。
「うん!」
昼食は桃色花園名物の“コスモス食パン”と“薔薇入りサラダつつじのソース仕立て”。食堂がピンク色に見えた。
「…おいしい!」
「ほんと…こんなにおいしいサラダは初めて!」
「おかわりありますか!?」
「これで頑張れるぞ!」
「たくさん召し上がれ。まだまだあるから。」
「は〜い。」
ルシャトリエさんはとても親切だ。
「君達の活躍を期待しますよ。人の集まる桃色花園を取り戻す日が来るのを楽しみにしとるよ。」
「…はい!」
昼食後、杖を携えた4人は、民宿を出た。
「事件多発地点へ飛ぶぞ!」
「行こう!」
─事件多発地点─半径100m以内でほとんどの行方不明事件が起きた場所。
「風よ!我々を事件多発地点へ運んでおくれ!」
…飛ぶこと3分。事件多発地点に到着した。
季節は春。この地に咲く花は全てピンク色─季節外れの物も常に咲いている─

「セージ、家族旅行でここら辺に来たよね。」
「そういえば、来たね。事件の前…確か中等部入学前に。」
「こんな桜の木…!」
「なかったよ。3年前は。」

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