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Gear〜鍵を成す者〜
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Gear〜鍵を成す者〜 34

ゲドの馬が止まった、リオも急いで馬を止める。二人の前にはあまり綺麗でない、大きな家が建っていた。
「入るぞ」
馬の手綱を木に結ぶと、二人は無言で家に入っていった。
「老子、いませんか老子!!」
「そんな大声を出さんでもわかる、客人が居るのだ、少し待て」
返事が聞こえると、二階から一人の老人と客人と思われる人がおりてきた。

「リオ、やっと会えましたね」
老人の後ろにいたエメラルドの目をした女が微笑んだ。
「シオン!?」
「ソル!!どうしたんだ、その傷は!?」
もう一人の黄土色の髪をした女が、驚いた顔をして階段を駆けおりて来たが、途中でその足を止め、背中から二本の剣を抜き、構えた。
「ゲド、貴様がやったのか!!」
「私ではない!!」
「覚悟しろ!!」
「ベルーナ、止めなさい」
シオンはゲドとベルーナの対峙にわって入ると、ソルに近付き彼の傷に掌を当てた。掌からでる光がソルの体を優しく包んでいく。
「リオ、さすがですね…」
シオンはベルーナにソルを寝室へ送るように伝えると、治療を老子に頼み、リオとゲドを連れて二階へ上がった。
部屋に入り皆が席につくと、シオンは話を始めた。
「ゲドさん、あなたが寝ている間にゲドさんはゴンドラで指名手配されてしまいました、気をつけてください」
「私が?戯言を!!何故私が!!」
「理由は反乱軍による流言が大きくなってしまったからです」
「本気か?王は!?私に対する王の信頼は厚いはず」
「あなたは反乱軍にはめられ、妃を王の目の前で殺したようになっています…」
「私が妃様を…」
「一つだけ、汚名を晴らす機会があります」
「…反乱軍をつぶし、その所業をはかせる」
「そうです、それ以外考えるのは難しいですね…」
「あなたは私を利用するつもりかな?…ふっよかろう、汚名を晴らす為だ、喜んで利用されようではないか!!」

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