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Gear〜鍵を成す者〜
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Gear〜鍵を成す者〜 33

リオはしばらく考え、そして小さく頷いた。ソルは返事を聞くと、大喜びでリオの腕を引っ張って走った。
「急げ、“ゲド”が近くにいるらしい」
「ゲド?」
「近頃反乱軍の動きが活発になってきて、ゴンドラは内乱状態だ。ゲドは反乱軍の主力剣士の一人で、とにかくヤバイ、狂ってんだ」
リオとソルは急な斜面を滑りおりると、用意してあった馬に飛び乗った。
「この道を真っ直ぐ行けばシオンたちの…」
「どうした?」
「逃げろ…、逃げろ!!」
ドサッ、ソルが走っていない馬から落馬した。ソルの落ちた地面に真っ赤な血がひろがる。
「…貴様!!」
「逃がしませんよ?リオさん」
そこには階段に閉じ込めたはずの男がいた。男はソルの背中を踏むと、突き刺さっていた剣を抜いた。
「あなたが悪いんですよ?鍵を渡していれば、あの犬も、この馬鹿も死ななくてすんだ“かもしれない”のに」
リオは黙って左右の腰から剣を抜き、それを重ねた。剣は放電しながらその形を槍へと変えた。
「ほぅ、それがマーリン部隊が使っていた“斬槍”…、私の左眼は作り物でね、ディアボロスの戦いの時、その斬槍につぶされたんですよ」
男の握る剣が青い光をまとい始めた。
「ゴンドラの英雄も貴様らのせいで、今じゃゴンドラの悪魔さ!!死ね!!」
「ごめんね、真剣勝負で情けをかけれないんだ…、僕は」
男は物凄い勢いでリオの横腹に斬りかかるが、リオは男の剣を斬槍で受け、その剣の側面を蹴り、男は体勢を崩した。
リオはそのまま流れるように、男の腹を槍で突いた。倒れた男から血は流れない。リオは槍の刃を自分に向けて男の腹を突いていた。
「ここで殺しはしない、君には働いてもらうよ?」
リオが倒れた男の頭に手を触れると、その手が光を放つ。すると倒れた男は何もなかったかのように起き上がった。
「ここはいったい…、人が倒れているではないか!!君がやったのか?」
「違う、山賊にやられたんだ、仲間を助けてくれないか?…英雄ゲド」
男は頷くとソルを抱き上げ馬に乗せ、自分も飛び乗った。
「私についてきたまえ、良い医者を知っている」
ゲドの馬は真っ直ぐ走り出した、その後をリオは必死についていく。
「ディアボロスの戦いの後の記憶を消しただけで、ここまで人が変わるなんて…」
「急げ!!傷が深い、間に合ってくれ…」

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