PiPi's World 投稿小説

Gear〜鍵を成す者〜
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 25
 27
の最後へ

Gear〜鍵を成す者〜 27

「“海の向こう”とわたりあう為でしょう?僕はどうとも言えません、そもそもどの国にも興味はありませんから」
「…、そうかね、残念だ。私の名は“カッツ”覚えておいてくれ、気が向いたらここへまたくるといい」
「失礼します」
リオは一度も表情を変えることなく、その部屋を出て行った。
「おい、待てって、リオ」
その後をトマが追いかけてきた。
「どうしたんだリオ、何をそんなに怒っているんだ?」
「この薄暗い所からはもう出たい、出口教えてトマ」
リオの表情は変わらなかった。
「…、これだ」
トマが壁に手を触れた。そしてその部分が扉になって、開いた。
「この中に入れば自動で地上に運んでくれる…、気が向いたらまたきてくれて…」
「うん」
リオは頷き、扉へ入った。扉は自動で閉まって、電気がつく。
「…トマ」
リオはその小さな部屋で小さくかがんだ。
腕の中に顔をうずくませ、扉が開くまでリオは顔を上げなかった。
ガチャン、大きな音と振動がして扉が開いた。外の光が入ってきて、リオはとてもまぶしそうな顔をする。そして立ち上がった。
バン、乾いた音と共に、リオの体が少し宙に浮いた。
「!!」
倒れたリオ。誰かが彼に近づいてくる。それは銀の鎧を身につけた女だった。
「何だ、お前あの時の…、縄を持ってこい、治療はその後だ」
女の後ろから銃構えた兵士たちが、リオのいる部屋に走り入ってきた。最後に女が入ってきてリオの隣りにかがんだ。
女はリオの頭に手をのせ、何かをつぶやく。
「また会いましょ、坊や」
そしてリオは意識を失った。



「くそぉ…、騙しやがって、錬金術はいつ教えてくれるんだ」
飲み屋で一人の男がうるさく吠えていた。この金髪の男の名は“ソル”。彼は錬金術師を恐れ、そしてそれに憧れている。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す