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Gear〜鍵を成す者〜
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Gear〜鍵を成す者〜 25

リオの隣りで赤兎が感嘆の声をあげる。
「いやぁ…、素晴らしい、やはり錬金はいいものだ、また教えてくれないか?」
「いいよ、そう言えば、誰かも同じような事言ってたね」
リオたちは階段をゆっくり歩いて、トマのいる階に辿り着いた。
「ここで錬金は禁止、分かったかい?リオ」
「分かった、ここでは錬金を封印しとくよ」
リオの両腕が青い光を放つ。トマの機嫌を直す為、リオは条件つきの錬金封印をおこなった。
「これでいいだろ?」
トマの表情が笑顔に戻る。そしてリオたちは、上を目指して歩きだした。
「リオ、赤兎、この巨大な穴、何か分かるか?」
「分からないよ」
「同じく」
トマは少し間をおくと、ニヤニヤして話しだした。
「この穴は、“始まりの場所”だ」
「始まりの─」
「─場所?」
リオが言って、続けて赤兎が言った。
「そう“始まりの場所”、ここから全ては始まった…、と言っても錬金術のだけどね、…それは約200年前の話─」
“海の向こうの世界”があったころの話。
世界では白魔法と黒魔法を使う者が野心のために争いを続けていた。その頃最も優勢だった国、その国の名前が“ゴンドラ”だった。
ゴンドラが優勢だった要因は守りだった。魔法戦争前から元々広大な領地を持っていた事と、白魔法に特化していた事が彼らの強みというわけだ。
ゴンドラ国内の状況は、戦争とは無関係のような風景だった。今と変わらずね。
そして、平和そうな国で一人、白魔法の研究に人一倍熱心な男がいた。その名は…
“大魔法使いマーリン”
彼は白魔法の特性を生かし、あらゆる物体を変化させる事で戦争を終結させる“錬金術論”を唱えた。
しかし…彼の話をまともに聞くものは少なかった、王の前でその話をしたときでさえ、笑い話としてあしらわれてしまう。
彼は考えた。考えだけではいけない、実行にうつせば皆、自分の考えをわかってくれるだろうと。
そして彼は魔方陣を描きそれを行った。
彼のおこなった“錬製”は成功した。

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