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クエストフォース外伝〜大剣とルセリウス〜
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クエストフォース外伝〜大剣とルセリウス〜 6

「うむ、よろしい」
ルセリウスの肩を叩くといつものように微笑むオリバー。
「ん、まずいな…」
「どうしたんだ先生」
壁から何かが割れる音がする、小さかったその音は次第に大きくなり、それが止まった途端、大剣が刺さっていた穴から突風が吹く。
「つかまれ!!壁が崩れるぞ」
大剣を抜き、オリバーの腕につかまった瞬間、壁は崩壊し始めた。
「巻き込まれる!!」
ルセリウスはまぶたを閉じた。
崩壊した壁は溶岩に次々に落ち、溶けきらなかった大きな岩が足場を作った。
「もう大丈夫だ、さあ行こう、精霊(アイツ)の所に」
ロープを繋げ岩の上に降り立つ二人。
──何故だ…どうして無事なんだ…
「どうかしたかい?」
「あ、いや…どうやってあそこまで行く?先生」
ルセリウスが指差す方向には溶岩を挟み、一つだけ穴があった、オリバーはその観察力に感心する。
「素晴らしい、そうだね…この位の距離なら…」
突然ルセリウスの腕を掴み走りだし、岩を蹴って飛び上がる。しかし穴のある足場の前で落ちていく。
「足りてない――!!!」
再び目を閉じるルセリウス、しかし彼はすぐに目を開けた。
溶岩が二人を中心にして円を描いてへこむ、それと同時に二人は宙に舞い、足場に降り立った。
「すごい…先生いつの間にこんな技を!?」
「君に会う前から使えたがね」
少し照れながら、やはり微笑むオリバー。
「さて、行くとするか、精霊(アイツ)を待たせてしまったかな?」
オリバーはルセリウスの背中を押して先に穴をくぐらせた。後ろを振り返るルセリウス、しかし、そこに入ってきた穴はなかった。
「お、おい…オリバー!!」
「ちっ、ガキじゃねえか」
声のする方に素早く振り返り、大剣を構えるルセリウス。
「俺が炎の精霊“フランベ”だ、俺を退治しに来る奴がいるとは聞いていたが…」

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