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クエストフォース外伝〜大剣とルセリウス〜
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クエストフォース外伝〜大剣とルセリウス〜 4

走ろうとしたオリバーの腕を掴むルセリウス。
「精霊に会うには期限があるのか?」
「いや、精霊はいつでもいるが、契約なんだ」
  ──聞いたが事ある。確か魔物を召喚するには、魔物と契約を結ぶ必要があるとか…精霊にも契約が必要なのか…
ルセリウスは微笑み、掴んでいた腕を離すと、オリバーの背中を追うように走る。
 ――光る砂漠…
「熱いがこれからもっと熱い所に行く事になる、熱さには慣れておいてくれ」
返事をしないルセリウス。心配になったオリバーはフードの中をのぞく。
「(…分からん。獣の勉強を怠っていた事に“今”気づいたよ)」
しばらくするとルセリウスが口を開いた。
「何でだろう、不思議と熱くないんだ、獣になったせいかな?」
「おお、生きてたか」
とびきりの笑顔をみせるオリバー。しかし返ってきた反応は、彼の期待したものとは違った。
「…そうかもな、俺は死んでいるのかもしれない…」
「おいおい冗談だ、そんな気を落とすな」
ルセリウスはフードを払うと、両手で顔を触り始める。
「この体、俺の物じゃない…どう見ても化け物だ」
オリバーはルセリウスの頭を軽く二回程叩いた。
「お前自身の精神はここにある、お前は死んじゃいない」
しかしルセリウスは俯いたまま話そうとしない。
「姿が変わろうとも、俺にとって、お前はお前だ」
話しかけても一向に返事をしないルセリウス。オリバーは呆れて溜め息をつく。
「姿の事なら精霊の力を借りればなんとかなる、刻印がついているのなら元に戻る事は可能だ」
強く握られていたルセリウスの拳が震え始める。
「ちょっと待て、落ち着け、話せば分かる、な、な、な?」
嫌な予感がしたオリバーは、慌ててルセリウスをなだめる。
「よかった…戻れるんだな?」
「あ、ああ…」
ルセリウスは突然オリバーの腕を引っ張り、走りだした。
「ちょ、ちょっと待て、どこに行く気だ」

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