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クエストフォース外伝〜大剣とルセリウス〜
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クエストフォース外伝〜大剣とルセリウス〜 3

眼鏡の男は振り返ると当然のように言う。
『精霊の所だ』
ルセリウスは思わず顔を崩して微笑む。
 ──オリバー…やっぱりお前は俺の“先生”だ。
オリバーは外に出ると迷うことなく、武器屋を訪れた。
「精霊には道具の中に入ってもらう、そこで、それに似合った武器を注文しておいた」
武器屋の店主が店の奥から、なにやら大きな箱を担いでやってきた。
「これがそうだ」
大きな黒い箱には、長いお札のような物が巻きつけてあり、異様な雰囲気を漂わせていた。
「なあ、先生…何でお札みたいなのが巻いてあるんだ?」
オリバーは右手で眼鏡の中央を上げる。
「みたいな物ではない、“お札”だ」
店主が眉間にしわを寄せて、オリバーに話しかける。
「お客さん本当にいいのかい、この剣は冗談ぬきでヤバイ品って話だよ?」
不安そうな店主を尻目に、オリバーは札束をカウンターに置くと即答した。
『問題ない』
「ありがとうございやした」の声と共に武器屋の外に二人は出た。
「なあ、先生…本当に大丈夫なんだよな?」
「ふん、ふんっ」
何か紙を破るような音がした。隣を振り向くと、豪快に“お札”を破るオリバーの姿。
「せ、先生…」
“お札”を破り尽すと、箱の中から剣を取り出し、それを地面に突き刺した。
「剣にまで“お札”がついているとは…面倒な」
地面に突き刺さった剣は、ルセリウスの背丈より大きく、更に異様な雰囲気を漂わせる。
「俺が“これ”使うんだよな?」
オリバーは満面の笑みで首をたてに振る。
「こんなのどう扱えって言うんだよ」
「きっと“慣れ”だ」
即答するオリバー、戸惑うルセリウス。
「準備は整った、期限は二日、気合入れていくぞ」

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