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クエストフォース外伝〜大剣とルセリウス〜
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クエストフォース外伝〜大剣とルセリウス〜 2

 ――闇の中…
 ──一体どれだけ寝ていたのだろう。
彼は気づくとベットで寝ていた。石で囲まれた小さな部屋、格子がついていてまるで牢屋のようだ。
「捕まったのか?」
彼は自分を鼻で笑う。しばらくすると足音が聞こえてきた。音は次第に彼のもとへ近づいてくる、そして止まった。
「ルセリウス…なのか?」
「せ、先生…」
間に格子を挟んで再会する二人。先生と呼ばれた男は、眼鏡を外すと、それを拭いて再びかける。
「何で俺はこんな所に…」
「君は“その姿”で森に倒れていたのだ、それで私が捕獲したのだよ」
「“その姿”?」
眼鏡の男はポケットから小さな鏡を取り出して、彼につきつけてこう言った。
「これが君の姿だ」
鏡に映った姿。それは人のものではなかった“燃えた村”そこで出会ったもう一人の自分がそこにはいた。
「君の手の甲にある刻印、そこにある“闇の力”が君の姿を変えたんだろう」
彼には間に合わなかった後悔の気持があったが、それよりも大きな安心感を先生の言葉から得ていた。
「で、どうしたらいいんだ?」
眼鏡の男は顎髭を撫でる。
「過去の書物、事例を見るに、やはり精霊に力を借りるしかないだろう」
「精霊?」
戸惑うルセリウス。
「そう。刻印の闇の力を制御するには精霊、悪魔、竜、神の力、のいずれかを借りるしかない」
「なぜ精霊なんだ?」
「君らしい」眼鏡の男は頬をかき困った顔をする。
「悪魔、竜、神が力を貸すとは考えにくい、もっとも人間に友好的なのが精霊だ」
扉の鍵を開け、彼を格子の中から解放する。
「この姿じゃ外に出られない…」
眼鏡の男はルセリウスに、ローブと剣を投げるように渡した。
「これを着ろ、出発するぞ」
「ちょっと待ってくれ、どこに行くんだ」

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