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クエストフォースエピソード3約束の地に
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クエストフォースエピソード3約束の地に 9

反射的に、ヴィンは剣を抜き、師匠の二振りの剣と交わす。
「ヴィン、避けろ。」
ハクの声に反応したヴィンは、すぐ右手に転がった。
ハクは跳躍し、師匠に跳び蹴りをした。
師匠はハクの足を 片手で掴んだ。
ハクの足を持ったまま、師匠はハクを投げとばした。
「本気で来い。
そうでなければ、お前たちは死ぬぞ。」
師匠は、ヴィンたちに尋常ではない目つきで睨んだ。
「何を、言っているんだ師匠。」
動揺するヴィンをよそにハクは自分の両手に魔力を付着させるために呪文を唱えだした。

「何だか分からんが、こんな所で死ねないんでな!!」
ハクが拳を握ると爆風が吹き荒れた。その風に続いて青い光をまとったハクの右手が師匠を襲う。
「くらえ!!」
青い閃光が師匠の周りを飛び回っていた。師匠はハクの攻撃をすれすれで避けていた。まるで遊んでいるかのように。
「ふぅ、もっと強くなりなさい」
師匠は溜め息をつくとそう言った。
「うるさい。」
自分は遊ばれている。
そう思うしかないほどに、ハクの攻撃は師匠にあざやかに流されていた。
それが焦りとなり。
ハクの攻撃は散漫になってゆく。
「あんたは、『この世界』でも、あたしを越えられないんだね。ハク。」
「…っ。貴様、何故オレの名前を。」
一瞬、ハクの動きが止まった所を、師匠に狙われ鳩尾を打たれ気絶した。
「エミュ。」
「わかっています。
ヴィンさん。」
すぐさま、エミュはハクに駆け寄り、ハクの状態を見た。
「大丈夫です。ハクさんは気絶しているだけです。」
それだけを聞いたらヴィンは、駆けた。
駆けながら、自分を追ってくる師匠の隙を狙った。
師匠に隙は全くない。
それを見て、隙がないなら隙を作る方法を考えたが止めた。
あまりにも、実力差が開き過ぎているからである。
自分の力では勝てないと悟り、すぐに考えを切り替えた。
勝てないなら、相打ちに持ち込む。
でも、どうやって。
師匠の力量なら、ハクを殺す事など、造作もないはずだ。
なのに、どうしてハクを殺さなかった。
師匠は、自分達を殺す気はないのかも知れない。
「なら、活路はあるはずだ。」

ヴィンは剣を持ち直した。
「ヴィン死になさい。」
師匠が来る。
「一か八かだ。」
ヴィンは呟き、師匠に向き合った。
もうすぐ、師匠の間合いに入る。

来た。

次の瞬間、ヴィンの右腕が飛んだ。
そして、崩れ落ちた。
師匠は腹から血が出て膝を地に着けた。
「ヴィンさん。」
エミュが叫び。
ヴィンのそばに駆け寄った。
「どうしよ。こんなの始めて。どうすれば良いの。」
どんな魔法を、使えば良いの。
何を使えば良いの。
あれ、呪文はどうやって唱えれば良いの。
このままじゃ、ヴィンさんの腕が。
「落ち着きなさい。」

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