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クエストフォースエピソード3約束の地に
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クエストフォースエピソード3約束の地に 8

「ねえ、ヴィンさん起きてください」
「し、師匠?何言って──」
「ヴィンさん!!」


ヴィンの顔に水にぬれた冷たい布が当てられた。
「エ、エミュ…」
「やっと起きた、いつまで寝てるんですか?早くサライトに行かないと」
「あいつは…?」
「それは…」
「お、やっとお目覚めかい勇者様、姫の口づけが効いたのかな?ククク…」
二人は森の中でヴィンの目覚めるのを待っていたようで、焚き火が赤々と燃えていた。
「ハクさん!!いい加減にしてください」
エミュが冷たい目でハクを見る。
「……」
ハクは何も答えず無言だった。そして、ヴィンはハクから目をそらしていた。
「…もう、仲直りしてください!!」
エミュは二人の腕を引っ張ると無理矢理、握手をさせた。
「勘違いするな。オレは、鍵を守るために同行はするが、決してお前たちと馴れ合うつもりはない。」
ハクは握っていた手をほどいた。
「まぁ、でも一緒に旅をする事には変わりないんだろ。なら、オレとハクそして、エミュは仲間だよ。」
ヴィンは、ハクに対して笑みを浮かべた。
「好きにしろ。」


ヴィンたちは、北方の街『サライト』に着いた。
その街の郊外に、ヴィンが剣を使うキッカケになった剣豪がいるらしい。
「そろそろ、あると思うんだが…あった。」
ヴィンの目が輝いた。
「ここに、ヴィンさんのお師匠さんがいるんですね。」
エミュの好奇心が早くヴィンの師匠に会いたいと言っているようだ。
「どんな弱い師匠なんだかな。なんて、言っても弟子が弱いからな」
「師匠は強いよ。
闘ったら、オレなんか秒殺だよ。」
喋っていると、目の前にこの世のものとは、思えぬ端正の取れた美しい女性が現れた。
「しっ、師匠。」
師匠と呼ばれた女性はいきなり、腰にはいてある二振りの剣を抜き突進してきた。

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