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クエストフォースエピソード3約束の地に
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クエストフォースエピソード3約束の地に 7

「オレだって…もっと、強くならないといけないと思っている!!」
その視線に耐えられず、ヴィンはつい、自分が戦闘でエミュの足を引っ張ている事の辛さをハクに伝えた。「辛いなら、帰れ!!」
鋭い目付きでハクはヴィンを睨んでいた。その目付きには殺気を感じるほどの迫力があった。
「オレには、帰る場所がない!前に進しかないんだ!前に進むためには、強くなるしかないんだ。辛くても前に進しかないんだ!!」「口だけなら、何とでも言えるぞ…」
「オレが口だけじゃない事を今から教えてやる!!」
そう言った後、ヴィンは突然ハクの顔面に拳を突き出した。
「!!」
ハクは、それを軽々と片手で受け止めた後、ヴィンの拳を引っ張った。
すると、ヴィンはハクに対して膝をつく形になった。「ふん、オレに手を出すんなら…もっと強くなってからにしな!!」
その言葉を言われた後、ヴィンの目に見える世界が真っ白になった。
バタッ


─二年前…
「戦うならもっと強くなってからにしろ」
倒れているヴィンの目の前に、巨大なゴーレムと、それに立ち向かう人物がいた。
ゴーレムに立ち向かっている人物は、黄土色の長い髪の毛に、白い肌をもつ、二刀流の使い手だった。
「師匠一人じゃ無理だ!!助けを呼んで来ます!!」
「そこでじっとしてな、動くと殺されるよ」
「でも…」
「囲まれてる、ゴーレムは一匹じゃないんだ、お前じゃ助けを呼んで来る事もできない、それに…」
「それに?」
「こんな雑魚、私一人で十分だ、見てろヴィン、力というのはこういう物だ!!」
師匠と呼ばれた人物は、二本の剣を握ったまま、ゴーレムに向かって歩きだした。そしてゆっくりと二本の剣を交差させ、それを振りおろす。
スパッ、ヴィンの攻撃でびくともしなかったゴーレムが、まるで柔らかい物かのように十字に切り裂かれた。
「グオォォォ…」
巨大なゴーレムは大きな声をあげながら、地面へとかえっていった。
「…す、すごい、師匠、すごいよ!!」

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