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クエストフォースエピソード3約束の地に
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クエストフォースエピソード3約束の地に 6

魔法付与によって強化されたヴィンの剣がトゲカの体を切り裂く。
「グギャャ…」
ヴィンに切られたトゲカは川の方へ体が倒れて、そのまま流されて行った。
ヴィンは剣を鞘にしまって振り返って、二人に笑ってみせた。
その後、ヴィンに飛び込んできたのは笑みではなくハクの拳だった…
ヴィンは一瞬自分の身に何が起きたのかがわからなかったが、自分の頬が熱くなってきてハクが自分に何をしたか理解した。
「いきなり、何するんだ!!」
ヴィンは殴られた頬に手を当てながら、ハクに怒鳴った。
「それは、オマエがあのモンスターに対して手加減をしたからだ。」
ハクはヴィンを見下した目で見ていた。
「やはりとどめは俺が討っとくべきだったか……」
ハクが拳を強く合わせた。
「止めてください!!ヴィンさん!大丈夫ですか!?」
エミュはヴィンとハクの間に立つ。
「エミュ……」その時のヴィンには他の言葉が出てこなかった。
「たく…なんでそんな奴をかばうかねえ」ハクは彼女を見て溜め息をついた。
「ヴィンさんは“勇者”なんです!!」
真剣な眼差しでエミュはそう言った。
「……ぷっ、はっはっはっは!!こいつが“勇者”?モンスター一匹まともに倒せないこの男が?」
ハクは口を押さえて笑いを堪えている。
両手を腰にあて、エミュは叫んだ「本当なんです!!」
エミュの胸元が一瞬輝いた。それはネックレスだった、首からのびる革紐の先に“鍵”がついている。
「カルガルダの神殿から“鍵”を持ち出した娘というのが、アンタだったとはね……」
ハクは腕を組み、目を細めた。
「鍵が……目的ですか」
エミュは戦斧を構える。
「鍵を持つ者を守護せよと言われたのだ……嫌かもしれんが同伴させてもらう、悪いな勇者さん」
ハクの冷たい視線がヴィンに送られる。

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