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クエストフォースエピソード3約束の地に
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クエストフォースエピソード3約束の地に 5

「グホッ…」黒コートは長い時間、宙を舞った。
ドンッ、木にぶつかった黒コートが宙を舞い終えた。
「あ、ああ…」黒コートは木の下で言葉にならない声を発している。
「後悔…したか?」ハクは不気味な笑みを浮かべ、木の下に歩み寄る。
「俺に殴られたら死ぬまで『その重力』に押し潰され続ける、派手なだけはあるだろ?…一生苦しんでな」そう言うと彼は振り返って、ヴィンに駆け寄った。その顔は笑顔だった。
(結局、オレは自分の力では何も守れやしないのか)ヴィンは悔しさで顔を歪めた。
その時、ヴィンの目には黒いコートがかすかに動いたように見えた。幻ではないかと、もう一度見る。そして、それは幻ではなかった。
黒いコートは、立ち上がり両腕を鞭のようにしなやかに伸ばしていた。
「キサマ、裏切り者の分際で生意気なんだよ!!」
黒いコートの体から蒸気のようなものが昇り発っていた。
「殺してやる。殺してやる。殺してやる!!」
黒いコートは叫んだ。
その後、黒いコートを破り捨てて自分の身体をあらわにした。
身体は、まるで拳闘士(ボクサー)のような筋肉に増長をしだしていた。
特徴ある尻尾も一回り大きくなったような感じだ。
「四邪である、このトゲカが…こんな、出来損ない剣士と裏切り者に負けるわけにはいかないんだよ!!」トゲカと名乗った怪物は咆哮を上げた。
「くそー、身震いしてきやがったぜ。」
ヴィンは立ち上がって剣を構えた。
「ビビッたんなら、お家に帰るんだな…オレ一人でもアイツを倒せないわけじゃない。」
ハクは自分の気を溜めながらヴィンに忠告した。
「悪いが、オレには家という場所は…ないんでね!」そういって、ヴィンは地を蹴りながらトゲカに向かって行った。
嘲笑うような顔付きでヴィンを見ていたトゲカに異変が起きた。
(身体が動かない!!)トゲカの顔がこわばる。
剣を構えて走ってくるヴィン。その後ろには腕を組んでいるだけの男と、目を赤く光らせてトゲカを睨んでいる女がいる。
ヴィンとの間合いがせばまっていく。腕を組んでいただけの男が突然両手を叩いた、それと同時にヴィンの握っていた剣に魔法陣が現れ、そして消えた。
ヴィンの握っている剣は青く光を放ち、青い残像を残している。

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