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クエストフォースエピソード3約束の地に
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クエストフォースエピソード3約束の地に 19

…荒野を歩き続けた結果、辿り着いたのは軍隊の駐屯地だった。見た所鎧の装飾はバラバラ、武器も統一されてなく、簡単に言うと“烏合の衆”といった感じだ。
「まとまりのない軍だな」
「そりゃそうだ、邪竜パレイオスが復活するまでは敵対国だったんだ、そう簡単に仲直りできないのが現実だ」
「本当にパレイオスが復活したのか?」
「お前の世界は知らんが、“俺達”の世界はそういう事になっている」
いろんな国の兵士たちが集まっていた。ヴィンは見た事のない彼等の装飾や武器を、不思議そうに何度も見て回った。相手もそんな彼を驚いた顔で出迎えてくれた。

「人の顔見て、何驚いてんだ?アイツら」
「ヴィン、何しているこっちだ」
考え事をしているうちに、イージーと少し離れてしまっていた。ヴィンは急いでイージーに駆け寄った。

「わりぃわりぃ、他の国の連中が珍しくて…な」
イージーの目の前には少年がいた、彼も他の者と同様、ヴィンの顔を見て驚いた様子だ。

「何だよ!!皆して、俺の顔がそんなに変か!?」
「まあ、落ち着けヴィン」
イージーのその一言に周りの者がざわめきだした。少年も跳ね上がって興奮している。

「ここでは落ち着けんな“クリム”作業場に案内してくれ」
クリムと呼ばれた少年はイージーにそう言われると、喜んで作業場へ案内してくれた。作業場の人々の反応も変わらず、驚きの顔だ。

「何だ、そんなに俺の顔が珍しいのか?」
「当たり前だ、お前は“こっち”じゃ“死んだ”はずの人間なんだからな」
「そうか…」
ヴィンはどこか腑に落ちない様子でクリムについていく。案内されたのは武器の修復をする所だった。上半身裸の男たちが、汗を流しながら熱い金属をハンマーで何度も叩いている。イージーがクリムに折れた剣を見せるように言うと、ヴィンは素直に従った。

「どうだ?」
イージーの問いにクリムは首を横に振った。

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