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クエストフォースエピソード3約束の地に
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クエストフォースエピソード3約束の地に 17

そんな博打のような作戦をしなければならない程、人間は追い込まれたのだろう。
「騎馬隊1千、黒魔術部隊2千、白魔術部隊1千、歩兵部隊3万」
少ない。
あまりにもあの邪竜を相手にするには少なすぎる兵力だった。
せめて、神剣ゴッドサンの所持者がいれば勝つ見込みが増えるのだが。
神剣ゴッドサンとは、その剣を持つ者は『神の力にて魔を切る』と伝えられる剣だ。
実際に神剣ゴッドサンとその所持者を見た者が数名いる。

私もその内の一人だ。
あと一歩だった。
せめて、我々軍が本格的に闘いに参加していれば勝っていた。
その後、神剣ゴッドサンはパレイオスとの闘いに生き残った所持者の従者が魔物から守っている。
「隊長。ここから1.5km先に人がいるという伝達が哨兵からきました」
私の副官が伝達にきた。
「わかった。なら、私は散歩にでも行ってくる。
だから、留守を頼む」
「散歩ですか。わかりました」
副官がニヤリと笑った。
私は得物の長槍を持ち、散歩に出た。


ヴィンが、この『世界』に来て三ヶ月が経とうしていた。

明らかに元の『世界』と違うのは、人が極端に見当たらないという事と魔物の数が明らかに多いという事だ。
今日も、魔物との戦闘が12回もあった。
そんな生活が毎日続いているのだ。
「そろそろ新しい剣が欲しいな」
ヴィンの剣は所々欠けていた。
もう長く保たないだろう。
物凄い殺気がヴィンに突き刺さった。
長い棒が見えた。
ヴィンは、反射的にそれを剣で止めた。
「人か!?」
暗くてよく見えない。
だが、どこかで見た立ち振る舞いだ。

自分の知っている『ある』人物と照らし合わせてみた。
突きの速さや身のこなしが多少違うが、容易にある人物に繋がった。
「まさか、イージーなのか?」
向こうの動きが止まった。
だが、イージーの槍の突きが、すぐさまヴィンを襲った。
「くっ、なんでなんだ。
オレがわからないのかイージー」
「オレの知っているヴィンは、あの時死んだ…
だとすれば貴様は、あのクソジジイかなんかが作り出した玩具だろう」
その言葉は、自分が死んだ人間だと言う事を改めて思い知らされた。
「玩具には、ここで消えてもらう」

「イージー、俺に槍を向けた事、後悔すんなよ!!」
ヴィンは短剣を抜くとイージーに斬りかかる、不思議と体が軽かった。ヴィンの猛攻はイージーに攻撃させる隙をつくらせない程重く、速かった。
「イージー、お前の力はそんなもんかぁ?」
二人の間で激しく火花が散る。イージーはヴィンの攻撃を防ぐのが精一杯といった感じで、少しずつ後ろに下がって行く。

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