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クエストフォースエピソード3約束の地に
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クエストフォースエピソード3約束の地に 13

「そなたに、死んでもらっては困るのだ」
女の子は、ヴィンに近寄った。
「あぁ、すまない。『この世界』では、そなたと会うのは初めてで会ったな。
人は余の事をユリと呼ぶ。
以後お見知りおきを」
ユリはヴィンに頭を下げた。
ヴィンも自分の名を名乗った。
「それにしても、そなたは何故、あの狼たちに攻撃をしなかったのだ」
「それは、オレが戦う理由を見失ったからだよ」
「そうか、そなたが戦うべき理由をか。珍しいな。
いや、誰にでもある事か。」
戦う理由を考えるヴィンを見てユリはため息をついた。
「酷なようだが、今、そなたに立ち止まっている時間はないのだ。
次の修行の内容もベルーナ様から授かっている」
ヴィンはただ黙ってユリを見ている。
「そなたは今から、私と共に過去に跳んでもらう」
「えっ、過去って」
ヴィンが戸惑っているのを無視し、ユリは跳躍の説明に入った。
「時間跳躍などの説明は現地でする」
「えっ、ちょっと待ってくれよ」
「では、行くぞ」

ユリはヴィンの手を掴む、それと同時に二人は黒い球体に包まれた。外の風景を全く見る事ができない。
しばらく二人はその中にいたが、変化と言えば青い光が球体に沿って飛び回っている事ぐらいだった。
「一体あんたは誰なんだ?」
「着いた」
ヴィンが質問をしたがユリは答えなかった、黒い球体がゆっくりと溶けていく。
「ここが過去だ」
ヴィンは周りを見渡すが、元いた場所と変わっているように見えなかった。
「ここが過去?」
「隠れるぞ」
ユリは無言でヴィンを草むらに放り投げると、自らも草むらに身を隠した。
「よく見ておけ、敵の姿を、顔を」
ヴィンは何を言っているかよく理解できなかったが、草むらから道を覗きこんでみる事にした。
目の前を赤い軍服を着た兵士の列が行進していく。列は長くなかなかきれなかった。
「ヴィン、あれが我らの敵“ゴンドラ帝国”である」
「ゴンドラって、5年前に滅びた国じゃ?」
「ゴンドラは武力、政治、経済、全てにおいてこの大陸では頂点に立っていた、それが何故壊滅するか、ご存じか?」
「タラッツ王国による攻撃だろ…?」
ユリはヴィンの答えを聞くと溜め息をついた。

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