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クロスロード
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クロスロード 8

「ダリウス。強いのか、そいつらは」
「はっ。…強いです。 今はまだ小さな傭兵隊ですが、そのうち頭角を表してくるでしょう」
ダリウスは素直な感想を言ったつもりであった。 しかしながら黒騎士は満足しない様子であった。
「であるか。 ふむ…よし。」
鉄仮面を新たにつけ、地図に目を落としていた顔上げこちらにと目を向け高らかに言った。
「ダリウス、ついてこい。 私もでよう。…殲滅だ。」
ダリウスは内心若い未来を摘む事を嘆いたが、この大陸の未来の為にはしかたのない事。と覚悟を決めた。
黒騎士に続きダリウスが馬で走る、敵がどこにいるのかはわかっていた。化け物がいると噂がある館だ、当然そんなものがいる訳はない、ただの迷信だ。
「館の門にはサザンクロスの者が二人待ち構えています」
「強いのであったな…、館についたら先に矢を放ち相手の腕を見る、それまで誰も動かぬよう伝えろ」
「はっ」
ダリウスが部下たちに命令を伝え終える頃、丁度黒騎士は館の前に辿り着いていた。
黒騎士が軽く手を上げると兵士たちは一斉に立ち止まり、弓を構えた。弓が狙うのは館の門に立ちはだかる二人の男。
しばらく間をおくと、黒騎士の「撃て」の合図と共に、矢の雨が二人の男に降り注いだ。それに対し二人は大きな木製の盾を前に出し、矢の雨を全て防いだ。それを見ていた黒騎士は溜め息をつき、戻ってきたダリウスの肩を叩いた。
「期待外れだ、君を少々買いかぶり過ぎたかな」
「奴等には何か考えが─」
「私は先に戻っておる、負けて戻ってきたら…、分かっているな?」
黒騎士は剣を抜くと、ダリウスの頬にそれを当てた。
そして黒騎士はそのまま剣を素早く振り上げた。その様子にダリウスは微動だとしないでじっと身構えている。
「小癪な真似を…」
黒騎士がそう言うと、一本の矢がダリウスの足下に突き刺さった。
「この矢は我が軍の…」
「もう少しで頭に直撃だったなダリウス、門の二人が我々の矢を使って撃ってきておるようだ、それも束ね撃ちでな…」
急ぎダリウスは周りに目をやった。周りの兵士たちが次々に倒れていく。皆頭を綺麗に狙い撃ちされ、一遍に5、6人ずつ屍が増えていった。
「わしにお任せくだされ!!」
黒騎士の横を、野太い声が馬と共に走っていった。声の主は重厚な鎧をまとい、その右手には巨大な斧が握られていた。
「ダット!?勝手に動くな!!」
ダリウスの制止を無視して、ダットと呼ばれた男は突き進む。
「わしの名は恐斧のダット、御首貰いうける!!」
「私の名はシム、隣りはマッシュだ、短い時間だがよろしく頼む」

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