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クロスロード
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クロスロード 3

「何すんだよ」不満の固まりのようなナシアスは憤然と言ったが「うるさい、隊長がラディンが最悪ぐらい分からないとでも思うのか?」その言葉にナシアスは返す言葉が無く押し黙った。
「それに見ろこの部隊の貧困さをめしは1日2回食べられたらいい方で武器はさびてるんだぞ、ラディンでもなんでも雇い主がいないと立ち行かないんだよ」
今のサザンクロスは少数だが精鋭で評価は高いが戦場にあまり近寄らず商人の護衛などを行っていて金が足りなくなっていた。
ぐうと唸りはしたが諦めてふて寝をはじめてしまったナシアスを見ながらバルロは苦笑し「まだ、リロイの方が大人だな」と独り言を漏らした。
「確かにそうかも知れないな」サルファも苦笑をして言った「た、隊長独り言ですからナシアスには言わないで下さい、こんな事言ったことがバレると後が怖いですから」
「なるほどな、あれ以上うるさくては叶わんからな」
以外にめちゃっけを発揮するサルファにバルロは笑いを堪えきれなくて『ぐふっ』と音を立てて、サルファは眼を見張り二人は大きな声で笑っていたらナシアスがうるさそうに起き上がり首を傾げていた。
テントの方から笑い声が聞こえた時、リロイは草原で寝そべっていた。
「僕らはラディンの為に働くんじゃない、サルファの為だ」
「そうだな」リロイの独り言に誰かが答えた。リロイは起き上がり後ろを振り返る。
「なんだ、スパークか」リロイは溜め息をついた。
「お前もラディンの依頼は受けたくないようだな、分からんでもないが…」
「隊長の為だ、ラディンの為に仕事をする訳じゃない」
「サザンクロスってどういう意味か知ってるか?南十字星の事らしいぜ、俺達もいつかはその星々のように輝きたいもんだな…」
「スパーク、それは違うぜ」リロイの言葉にスパークは首を傾げた。
「サザンクロスは花の名前だ、ミカンの香りがするピンクの花だ、その花のように俺達も魅力ある部隊を目指すんだ」
リロイが真面目な顔でそう言うと、スパークは笑いリロイの隣りに寝そべった。リロイも笑う。
「リロイ、サルファを守れ、そして学べ、そうすればサザンクロスは強くなる」
「いたいた、リロイ、話はまだ終わってないぞー」
寝そべっている二人にサルファが近付いてくる。それに気付いたスパークは、リロイに小さく手を振ると、走り去って行った。
「お、スパークも一緒だったか、また剣術の事でも聞かされていたか?」サルファは顎に手をあて、ニタリと笑う。
「いえ、ラディンの事を」リロイはサルファの目を真っ直ぐ見つめ、そう言った。
「リロイ、支度をしろ、日が沈んだ頃にタンガへ向かう、任務はラディンを国境まで護衛する事だ」

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