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クロスロード
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クロスロード 18

館内に黒騎士の怒号が響く。
「何をやっている!奴等は貴族共に雇われた傭兵、そんな奴等に遅れをとるな!一人も逃がすな!行け!」
その声で周りの兵士達は我に帰り、勢い良く駆け出した。
それを見送りながら黒騎士は言う。
「サルファめ… 覚えておけ…」
その声には、たしかに怒気が含まれていた。
黒騎士らは直ぐさま館を出る。
しかし、そこはすでに戦場と化していた。辺りには血の臭いが広がり、幾多の革命軍兵士が地面に転がってるのが見えた。
「一体どういう事だ!? 洋館は我らが包囲していたはず。ダリウス!ダリウスはどこだ!」
黒騎士は切りかかる者をものともせずに、戦場を駆け抜ける。 しかしその間にめ周りにいた黒鎧達をも鉄の嵐によりバタバタと倒れて行く。

「ここでございまする!ここでございまする!!」

ダリウスの叫ぶ声が聞こえてくる。
見るとダリウスも囲まれており、生傷だらけで痛々しい。
「なにがあった!?」
黒騎士はダリウスにふりかかる剣を払いつつも包囲を解いて行く。
「わかりませぬ! 攻撃隊が館に入った途端に横槍をくらい、この有り様でございます!」
「くぅ、小賢しいマネを!!」
「恐らくサザンクロス隊でしょう! とにかくここは引きましょう!」
「私に引けと言うか!?」
「今はそのような時ではございませぬ!兵士達は浮き足だっております。今は戦う時ではありませぬ」
「ぐうぅ」
「早く!ご決断を!」
そう言っている間にも、周りにいた兵士達は倒れていく。 サザンクロス隊は少数。数の上では勝っている革命軍が押されているのだ。並大抵の自体では無い。
「くっ、引けぇ!引けぇぇ!!」

再び黒騎士の声が戦場に響きわたる。 聞くが早いか、革命軍兵士達は逃げ出した。
黒騎士とダリウスも剣を払いつつ下がる。
「サルファめ… この屈辱、忘れんぞ…」
黒騎士は切りかかる兵士を撃ち払いながら、そう呟いた。

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