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クロスロード
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クロスロード 15

先頭を走るサルファの背中はどこか温く、絶対の信頼をおくことができた。その信頼はリロイを死神へと立ち向かわせる勇気を与えてくれた。


「おい、バルロ!!へばっちまったなら後ろに下がりな!!」
黒い鎧をまとった男たちがナシアスとバルロを取り囲んでいた。バルロの口からは血が流れている。
「あ?誰がへばったって?腹に剣が刺さってる奴に言われたくねえな!!」
バルロが剣を振ると黒い兜が音をたてて落ちる。それと同時に首のない男たちも倒れていった。
「敵を欺くにはまず味方からって…、言うだろ!!」
ナシアスは腹に刺さっていた剣を抜くと、二刀流にして次々と並みいる男たちをなぎ倒していく。
「なに、お前いつから二刀流になったんだ?」
「だから言ってんだろ?敵を欺くにはまず味方からってな、へへ…、しかし参ったな目が霞んできやがった」
「ん?俺より先にへばっちまったのか?だせえな…」
ドサッと何かが落ちた音がした。バルロが隣りを見ると血だらけのナシアスが倒れている。
「へへ…、一人にするなよ…」
そう呟くとバルロはナシアスの前に立ち剣を構えた。敵を睨むその目から闘志は消えていない。
「かかって来いよテメェら!!俺は死なねぇ!!」
一人、また一人と切り伏せていくバルロ。 右から切りかかる者を剣で受け、正面から襲いかかる奴に蹴りを喰らわす。 直ぐ様体制を整え後ろの黒鎧を切り倒し、返す刀で右の奴をも切り倒す。
霞み行く視界の中、ナシアスはバルロの底力に驚いていた。 正に鬼人。
今のバルロに敵う者は無いだろうとさえ思える程の剛力であった。
「ナシアス。死ぬなよ!生きて帰るんだ!生きて必ず!」
バルロそう言って剣を振るう。 バルロの剣が鉄の嵐となって革命軍を襲い、次々に数を減らす。
「きつい事を言う。これ以上まだ働けと?」
「はっ!へらず口を!そんだけ話せれば…戦える!」
バルロはそれだけ言うとナシアスを立ち上がらせ、剣を握らせた。

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