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ダークヒーロー
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ダークヒーロー 5

さすが家を抜け出した大統領の娘の発言といった所だ。本当の戦況を分かっていない。まぁそこが可愛い所なんだが…

「バッテ、“散歩”に行って来る」

「いつもすまない…」
俺が軽く手を振って部屋を出ると、そこには5人の部下が待っていた。俺が彼らを見渡すと、いつも通り皆黙って頷いた。

「で、敵の数は?」

目的地に向かう車の中で、俺は部下の“ジェリー”に質問した。
「数は一万弱といった感じです、敵方には開発者がいないので、武器は旧型のようですよ」
「隊長、今回は俺に先頭をやらせてください!!」
ジェリーが言い終えると直ぐさま“パンサー”が発言した。
「先頭は俺、いつも言ってるだろ?」
「しかし!!」
「俺の真似をして刀を持っても、使えなくては意味がない…、前の戦いでお前が敵に突っ込んで、“ミッキー”が危険な目にあったのを忘れたか?」
パンサーは俺の言葉を聞くと酷く落ち込んだ。俯いたまま何も言葉がでてこないでいる。
「あの話はもう良いんですよ隊長」
「あ、駄目だから、甘やかすと」
ミッキー自身がパンサーを励ます為間に入って来たが、俺はすぐにそれを否定した。
「隊長の言っている事は正しい、一人の勝手な行動で仲間が死んで欲しくないんだ、隊長は」
“スパイダー”がパンサーの肩を叩きそう言うと、パンサーは顔を上げて頷いた。
別に仲間が死んで欲しくないとかいう事が言いたかった訳じゃない、タダ俺が先頭を行かないと士気が下がると思っていただけだ。
スパイダーは勝手な妄想をするが、パンサーの教育係としては最適だろうと思っている。
「着きましたよ」
ジェリーの言葉で皆が前を向いた。そこには無数のテントが張られ、マシンガンを持った兵士たちがウロウロしている。そしてその奥には“ホワイトハウス”がそびえたっていた。
「“クッキー”囮役を頼んだ、皆行くぞ!!」
俺達は車を飛び出すと走り出した、クッキーだけはゆっくりと降りて来る。
鋼鉄に身を包んだクッキー、間接部分は特殊なプロテクターで守られている。

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