PiPi's World 投稿小説

ダークヒーロー
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 2
 4
の最後へ

ダークヒーロー 4

深夜、清潔で無機質な白い建物に俺達はいた。
女隊長の名は“ネフ”、インディアン副隊長の名は“バッテ”だった。
俺が二人と行動を共にしてからもう5年がたつ、毎回やる事は国家の重要機関の乗っ取りだった。
今回もその重要機関とやらにいる、そこには二人の他にも部下が30人集まっていた。
「バッテは管理制御室を、潤は武器庫を頼む、私は指令室に向かう、君達の健闘を祈る」
ネフがそう言うと皆散らばっていった。残っているのは“俺の”隊だけだった。

「これは新の大統領を明確にする為の戦いだ、一戦一戦に大きな意味がある事を忘れるな」

俺の言葉に5人の部下が無言で頷いた。武器庫制圧に1/6しか人数が割かれないのには理由がある、それはこの部隊の人間が皆“殺人鬼”と恐れられていた者で構成されているからである。
部下の顔を見ると毎回溜め息がでる、俺は犯罪者狩りを止めないはずじゃなかったのか…
頭を抱えて彼らの顔を見渡すと、その目には希望の光が見えていた。こいつらは皆、超A級犯罪者だ、俺と同じ“犯罪者狩り”で何千人と殺している。
でも何故か彼らの顔は犯罪者のものではなく、今を生き抜く戦士の顔に見えてしまう。
俺は“戦士”たちと共に武器庫へ向かった。
辿り着いたのはいつもと同じ、誰もいない武器庫。そう毎回誰もいないのだ。
俺達は一瞬で武器庫を制圧した。何故誰もいないか、それは既に政府が“シェルター”内部でしか動いていないからだ。地上の荒れた地からは、金持ちの姿が消えていっている。それと“俺達が強いから”だ。
武器庫の中で俺達はリーダーの連絡をまった。しばらくすると建物全体を制圧した旨が伝えられた。

「これで13個目…」
ネフが机に向かってボソッと呟いた。部屋の入口の左右には俺とバッテが立っている。
「残るはホワイトハウス…、流石にそこには兵士たちがいましょうな」
「30人で制圧出来るでしょうか…」
バッテの言葉にネフが不安気な顔をした。
“ホワイトハウス”そこは旧政府が本拠地として使っていた場所、シェルターが完成してからはタダの箱になったと聞いているが。実際は馬鹿な軍人達が無意味に集まっているようだ。

「おい、13個の拠点それぞれに1000人も人が必要なのか?それを割けばいいだけだろ」

俺は少し声を張ってそう言った。ネフは俺の顔を見ると首を横に振った。
「我々の目的は国家再生、国民の望まない国を造らない為にも人員はこれ以上割けません…」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す