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デストロイヤー
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デストロイヤー 57

「お前、殺す…」
「ん?先輩力の制御出来てないのかぁ…、この戦い俺のか─」
ビリィが一度目を瞑り再びそれを開こうとした瞬間、彼の首がデュランの赤い炎の腕に掴まれた。デュランはビリィを地面におしつけ、地面を掘るようにして走りだす。ビリィも破壊の魔法でその炎を消そうとするが、それは消えるどころか勢いを増していた。

「死ね…」
「先輩…、俺は不老不死なんだ、死ぬ訳ねぇだろ?」

デュランは急に立ち止まると、渾身の力で踏み込みビリィを空へ打ち上げた。物凄い勢いで上昇していくビリィ、彼が真上を見上げると先回りしていたデュランがビリィを指さしていた。その指先には小さな赤い炎の玉がついている。
それを見たビリィは即座に防御体勢にうつるが、デュランの炎の玉はビリィの体を難なく貫通して地面に落ちた。地面には赤い円が描かれ、円内はドロドロのマグマとかしていた。

「常人なら死んでただろうが残念だな。ほら見てみろ、俺の傷口は直ぐに再生されていく…、死なないんだ、ハーハッハッハッハッ!!」
ビリィが大声で笑う中、デュランは静かに怪しい笑みを浮かべる。

「何がおかしい?恐怖で頭がイカれちまったか?」
「一生、生きてろ。クックックック…」
「!!」
ビリィが下を見ると、大きな波音と共にマグマから巨大な腕が伸びてきた。マグマでできたその腕は、ビリィを掴むと彼の体を焼き溶かしていく。

「こんなモノ破壊してやる!!………、何だ、何故魔法が使えない!!」
マグマの手の中でうろたえるビリィ。彼の体は治癒力とマグマの熱で焼けたまま消滅する事なく、その姿が保たれていた。マグマの腕が徐々に地面へと潜っていく。

「俺の魔力が全て治癒に使われているのか…、フンッ面白い。デュラン!!今回は勝負を預ける、次こそは必ず貴様を殺─」
ビリィは最後まで言い切る前に、地面に引きずり込まれ消えた。マグマの腕が消えるとそこは元の荒野に戻っていった。

「うおおおおお…、力が抑えられん!!」
炎とプラズマをまとい、ゆっくりと地上におりていくデュラン。戦いが終わったにも関わらず彼の体からは膨大なエネルギーが放出され続けていた。

「君の中のもう一人の人格“カイン”。龍戦記でカインは眠りについたが、その力だけは引き出せるようになった訳か…」
「誰だ!!」

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