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クエストフォース〜竜キラーを目指す男〜
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クエストフォース〜竜キラーを目指す男〜 2

見ると屋根や物陰にうごめくものがいた
「酒は呑んでも呑まれるなってな」
そう言うとヴィンも剣を構えた
「にしてもイージーの言った通りだな」
「ハハ、傭兵稼業してるとな大抵の呪文詠唱は読唇術でわかんだよ」
あの時黒衣の女性がつぶやいていたのは下級魔族を呼び出し相手を殺す呪文だった
「下級だからって油断すんじゃねぇぞにぃちゃん」
「こんな奴らにやられるくらい弱かねぇよ!俺は竜を倒す男だぜ?」
飛びかかってきた使い魔を斬り落とし返す剣でもう一匹を斬った
「ちげぇねぇ」
イージーがニッと笑い大槍を軽々と振り回し二匹消し飛ばした
「これで、ラスト!!」
残りの一匹を、ヴィンが剣で軽々と倒した。
「ふぅ〜、それにしてもあの女は一体何物なんだ。」一人で小言を言いながら考えるヴィン。
「ありゃ〜、中級魔術師だな。だが、下級魔族を五体も呼び出したり出来るとかだから、あの女が使える魔術を結構多いぞ。」
スラスラと推察するイージーに関心するヴィン。
「へぇ〜、よくわかるな」「昔、出来の悪い魔術師が友人にいたんだ。さて、問題はこれからどうすかだ」
「んなこと、聞くまでもねぇよ。あのいけすかねぇ占い師をぶった斬る!」
気炎を吐く彼に、イージーは冷静に言う。
「そいつは悪くねぇ。だがよ、その占い師の居場所は分かるのか?」
うっ、と言葉に詰まる。その横でイージーはさらに続ける。
「こうなると、あの使い魔を全滅させちまったのはちとマズいな。一匹ぐらい生かしときゃ、巣に逃げ帰るのを追っかけて芋蔓式に、と思ったんだが」
「なら、人に聞こうぜ!」「はぁ?ヴィンの兄ちゃんよぉ〜人に聞いてわかるぐらいなら苦労は…あっ!その手があったか!!」
「おっ、街のみんな全員に聞くのか?」
「いや、それは無理だろ。だから、ある特定の人間に聞くのさぁ!」
意気込むイージーに、少し困惑しているヴィン。
「何だか、面白くなってきたじゃないか。」
「誰に聞くんだよぉ〜?」まだ夜明けまでは、長い。

下級魔族を片づけたその足で、二人は暗く小さな裏通りへと入った。無論、イージーの先導である。
「情報を集める前に、拠点の確保だ。まずこの返り血をなんとかしなきゃならんだろ」
とは彼の弁。確かに一歩大通りを離れた裏通りならば、人刃沙汰は日常茶飯事。多少の返り血を見咎められる事はない。
案の定、飛び込んだ宿の主人は少しばかり顔をしかめたものの、僅かに部屋代より多い金を握らせると、黙って部屋の鍵を差し出した。
「湯を使うなら2階の奥だ。その格好でうろつかれちゃかなわんからな」

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