一応エターナルにもクライン派が手を回してザクウォーリア一機を確保しているがこれがインパルスシステムの実証機の一つザクスプレンダーである、書類では耐久試験後に修復不可になって廃棄されたが設計図はクライン派の息が掛かったエンジニアより持ち出された、その後ユニウスセブン巨大残骸破砕作業時に全損したザクの機体を確保して製造されたのが“ＺＧＭＦ−Ｘ１０１Ｒ　ザクスプレンダーＲ”である。最もゼグが来たので予備機になっているが……。
「彼女の素性はこれで全部ですね」
「可也危ないかったようですよ、ミーア.キャンベルって分かるまでは……整形までしてますね」
ダコスタも呆れる程で暫くはプラント内に入らない方が身の為だと言う乗務員が何人か出てしまったのだ……。
「例の二機は順調に仕上がってます」
「そうか、何時でも渡せるようにな……」
バルトフェルトは考えたくはないがフリーダムの最大の弱点はＡＡだ……簡単に言えばＡＡ並の戦闘艦を持っている今のザフトなら勝機はある。


ザフトは前の戦争でＭＳを持ち込んだが地球連合の本拠地を制圧できなかった要因の一つに全領域で活動できる母艦が存在しない事と分析している。事実ＡＡ級の性能はクルーゼ隊/ザラ隊のレポートだけでも十分な説得力を持ちミネルバを建造された。戦果は上々……早くも二番艦建造の噂も聞こえ始めている。
「アスランの脱出は少々荒くなるかもな」
「と言いますと？」
「議長だよ……パトリック.ザラ以上に狡猾なんだ」
バルトフェルトはハンガー内にあるザクスプレンダーＲを見る。
バルドフェルトは直接認識は無いが前の戦争時には政治の表舞台には当初は出なかった、ただストライクガンダムのパイロットに関する調査は水面下で進んでいた事は戦後把握している。メンデルで実施されていたと言う人工子宮開発にキラとカガリの実の両親が関与している事も……今の議長は職業上この様な情報には提供元が幾多もある。だからアスランをプラントに留める事はしなかった……そして先の戦争末期に生じた混乱によりザラ議長は死亡、この混乱を収拾させるために選出されたのがデュランダルだ。連合側もアズラエルの死亡……これも表向きの話で共に殺された事は伏せている。
「議長は火星圏コロニーの統治システムに興味があるようです」
「火星圏コロニー？ああマーシャンって言うコーディネイターが多い……」
ダコスタはある資料を提示するとバルトフェルトの表情が変わる。
「ＮＪＣベースマテリアルの大規模鉱床か……連合は遠征する可能性もあるがあのガンダムが幾つあると思うかね？」
バルトフェルトも情報程度であるがリジェネレイト以上の加速力がある推測される火星圏のガンダム……。
先のブルーコスモスによる大規模核攻撃迎撃時に火星圏コロニーの訪問団を束ねる若者が議長に直談判して戦闘に参加、ディアッカが居るジュール隊だったので事細かい戦闘記録はターミナルを介して入手している、眼を引いたのがＤＳＳＤの開発中探査ＭＳ同様の推進システム類似したシステムは実用化出来たが……。
「ロゴスに与する連合軍部隊で動きがあったのか？」
「はい、未確認の大型陸上戦艦です」
バルトフェルトは写真を見て何かを感じた……。
「この大型陸上戦艦の詳細を直ぐに……否な予感がする」
「？」
ダコスタはキョトンするもバルトフェルトの表情は険しい、地上戦艦を態々運用するメリットは何か……ザフトもコンプトン級地上戦艦を投入しているのは前の戦争のレセップス級がある程度有効である事を示している、ただし連合が陸上戦艦を建造してない……バルトフェルトはハッとする、ＭＳのコンセプトでザフトも果たしてない方向性は“巨大化”である。



ドミニオンを中心にした対ロゴス討伐隊はベルリン近郊に……未確認陸上戦艦を捉えていた。
「中央にドームシェルか」
モーガンはボソっと呟いた瞬間それが開き、現れたモノに驚愕する。
ドームシェルから出現した未確認のＭＡは逆関節二脚の支えられた円盤状のボディ上部にある二連ビーム砲が二つ……ドミニオンの主砲以上の破壊力もあり得る。何よりもデカい……モーガンは勘で叫ぶ。
「全機退避行動！！！！敵ＭＡの主砲線上から離れろ！！！」
モーガンの叫びと同時に光が走る……反応に遅れたザフト軍ＭＳ数機が爆散した。
「−艦長！ライトニングストライカーに換装します！！！ー」
フレイは高機動エールから電磁砲主体のライトニングにしたのは母船を狙う為だ。最もあのサイズなら宇宙艦艇サイズの核融合炉を搭載出来る可能性もある。
「フレイ、ミネルバが来るまで時間を稼げるか？」
「ー稼げます、私は父の罪を償う為にＭＳに乗ってます。ザフト軍の退避を優先に……ー」
殊勲な事を言ったのか……モーガンは言う。
「俺が引き付ける、他は手出しはするな！」
このサイズだ、恐らく連合のＭＡの様にアルテミスの傘は搭載している。