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機動戦士ガンダムSEED Dα 閃光の少女
その他リレー小説 - 二次創作

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機動戦士ガンダムSEED Dα 閃光の少女 55



彼はロンバルギア艦橋のメインモニターを見つつ思案していた、ブルーコスモスの盟主であるジブリールは愛猫に構っている暇すらない程対応にしているだろう……デュランダル議長は秘密結社ロゴスの情報を全世界に一斉に配信したのだ。しかも顔写真とプロフィールを添えた画像で。
「ノアのおっさん、これが」
「そうさ、これが国民との団結力を奪う情報だ……やられたな」
ワイドは唖然とする、これはサハク家なら知っている情報……敢えてデュランダルが告げたのは地球連合加盟国の国民が政府と軍の不信感を抱かせる。こうなると政府も軍も国民の支持を得たい為に……とは言えファントムペインは別だ、どうも自分の親は古からロゴスとは縁がある名門らしくしっかりと公表されていたがわが父は少々政府や軍に不信感があるので今頃はシェルターに引き籠っているだろう、無論家族揃ってだ……。
「さてと二人ともアルスター少尉の指揮下に入った訳だがどうだ?」
「中々気さくな上官、部下もサースの事も気にかけてくれているし」
「残りの一人は?」
「ファンファルトはもうだめだ、顔に修復不可の火傷を負ってな……“揺り籠”が無ければ友軍機すら襲い掛かる……」
ピーチャはその言葉で理解した、技師であるのである程度のスペックを見ればどんな目的の機械なのか分かる。
「艦長、ヤバいぜ……大西洋連邦首都に居るロゴスの面々と連絡が付かない、ムッソリーニの最後の様な光景もある」
ジョン.アルスターは艦橋に入るなり言う、実家の方も怒り狂った民衆が押し寄せており州兵がパワードスーツを着用して暴動鎮圧に動いた。
それでも実家の邸宅にある幾つかの建物は全焼、序に連邦捜査局のガサ入れまでされて顧問弁護士も大忙し……大西洋連邦中枢にもロゴスのメンバーや関係者が存在しており政治も軍も停滞を余儀なくされジョンは彼らが最悪民衆に縛り首されて何処かの橋に吊るされている可能性すら考え始めた。
「家族は?」
「無事さ、まっ連邦捜査局から経済犯罪絡みでガサ喰らったらしいがね、艦長の所は?」
「妻子はシェルターに退避、親父は大人しく自首さ……まあロゴスの幹部になったのは曽祖父だったから無理やろ……参謀本部も機能不全に陥っている」
ビーチャの視線には通信担当の士官が呼びかけているが参謀本部からの応答はない、襲撃された可能性もある……。
「暫くは様子見だな」
その数時間後、ロゴス派はヘブンズゲートへの集結が暗号通信により受信したのである。



「アルスター少尉の拘束理由が“肉親がロゴスの幹部だった”事なら拒否する」
「しかし、市民団体らからの告発状が!」
「ならその市民団体らを至急軍に入隊させてMS訓練を受けられるように手配するんだな、ナチュラル用サポートOSがあるとは言え自動車運転とはわけが違う!!!!戦闘機と同レベルの訓練課程がある!!!!」
モーガンの激高に憲兵隊も圧され始め、背後にはナタルが銃を手にしておりフレイは静かに様子を見ていた。
「たかが何も知らない小娘の首で何が正義だ!!!そこまで言うならこっちにも手がある……その市民団体らを騒乱罪として告発する……貴官の上官に伝えておけ!」
憲兵隊の隊員の一人が隊長に耳打ちすると引き下がった、参謀本部内でもフレイを裁いても何の得にもならないと判断が下ったのだろう。憲兵隊が引き下がったのも指令が来たからだ。
「助かりました」
「全く死亡したロゴスの幹部まで晒すとはなぁ……アルスター少尉、ドミニオンへの転属が決まった」
「えっ?」
「この騒ぎだ、前線送りになるが参謀本部としては配慮した方か……」
仮に文句が出ても有効な代案が無いのだ。
フレイを裁くにしろ彼女がロゴスと接触した記録は無い、寧ろ彼女が休日の時は宿舎か自宅で過ごす事が多い事は参謀本部も把握している。
「MSパイロットしての技量がある事も考慮なんですか?」
フレイの言葉にモーガンは少し考える。
「ああ、この先世界はロゴスを討つ事を選ぶが騒乱にならない様にするのも大事だ」
玄関に出ると完全に野戦装備の歩兵らが警戒している……。
「ご苦労をかけるな」
「隊長の頼みとあれば駆けつけます、憲兵隊もヤキが回ったもんですな」
元戦車大隊に所属していた歩兵部隊の隊長はモーガンに告げる。軍用車両が待っていた。

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