アスランも初めて見るミナの専用機……クルーゼ隊長はあの機体の存在を知っていたからゲイツではなくプロヴィデンスを望んでいた。
「−ミナー」
「ーこれ以上の混乱はオーブに内乱を齎す、地球連合の勝手にはさせぬ。ヤマト准将……地球連合軍の無力化を頼む。私は慣れてない……未だにコクピット直撃をやりそうになるー」
アウルが操縦するアビスが攻撃を仕掛けるがこれも回避する、バルトフェルトも呆れるほどの腕前の良さ……アメノミハシラが難攻不落の要因が今この場にいるのだ。あのクルーゼすらアメノミハシラ攻略を中々しなかったのは……ガイアを背後から掴み強制放電させている。
「ステラをはなせぇえ！」
カオスのドラグーンが乱舞するがマユが操作するビッググラスパーの火力と機動力で阻む。
「ーミナ様、タケミカヅチは！ー」
「ー大丈夫だ……ユウマ様は先程から失神している。作戦継続不能、本艦以下オーブ派遣軍は全軍ヤマトタケルの指揮下に入るー」
「冗談ではない！」
ネオも焦るが海上艦では役不足だ。
「えっ」
ガイアのバッテリーが放電されＴＦ装甲が落ちた瞬間にビームがガイアの額に当たり電力が戻る。
「デュートリビオンシステム……」
タリアはハッとする、アーモリーワンで強奪されたのはガンダムだけじゃない……。
アーモリーワンはミネルバが建造されたドックもあり必然的に軍事機密の宝庫……更にこのシステムはリジェネレイトに爆発的な加速力を与える“ライトクラフト・プロパルジョン”のレーザーシステムを発展させている。この機体は不運が重なり地球連合に手に渡っており当時試験中であったデュートリビオンシステムの実証機でもあった。
「艦長！正体不明の宇宙戦艦です！」
地球連合海上艦のどの艦も既に火の手があがりダメコン対応も限度に近い、ネオは驚く……あの戦艦を出すとはファントムペインも追い詰められている。
「ーネオ.ロアノーク！直ぐにあの三機のガンダムを収容する！アークエンジェルの怖さは俺がこの中で一番しっている！！！！ー」
ガイアを助けるためにカオスとアビスが同時に仕掛けるとゴールドフレーム天はガイアを蹴飛ばし牽制する。
「にがすかぁあああ！」
フォースインパルスガンダムがシルエットフライヤーにソードシルエットを装着させて随伴させ対艦刀を手に取る。ミナはニッとする……ここはマユの為にも踊舞する事にしよう。
「ー手加減は無用だ、今はＭＳパイロットして対処するー」
アスランは直ぐにセイバーをＭＡモードにする、あの強さは本物だ……クルーゼ隊長がアメノミハシラ攻略を躊躇っていた理由はあの時からアストレイの存在を察した、そしてアークエンジェルとストライクを追撃する間にあの機体は成熟したのだ。
「！！！」
グフイグナイテッドが装備する鞭の様な武器がセイバーに襲いかかり回避したが先端がビームサーベルになっている……左腕はブリッツのモノだ。シンの対艦刀を背中にある装置で弾き飛ばし、カガリが乗るストライクルージュがビームライフルを構えて叫ぶ！
「−引け！！シン！！オーブはプラントと戦闘する意思はない！ー」
だがフォースインパルスがビームサーベルを引き抜きつつも間合いを取った瞬間、フォースインパルスの右足と左腕が切裂かれた。
「ーおにいちゃん、これ以上困らせたらここでおとうさんとおかあさんにしかってもらおうか？ー」
その時ミネルバから信号弾が出た、撤退の合図だ。タリアもハイネもミナのアストレイと漆黒と金のアークエンジェルを相手にするのは分が悪いと判断したのだ。