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機動戦士ガンダムSEED Dα 閃光の少女
その他リレー小説 - 二次創作

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機動戦士ガンダムSEED Dα 閃光の少女 35




「では、この報告書はアルスター候補生に渡します。陛下……」
蝋で封印された書類の束を手にしたバジルール艦長は申し訳ない表情になる。
「バジルール少佐、これは研究に金を出した長の責務だ。我が国の祖になった参加国は前世紀から福祉に関しては追及の度合いが他国より拘り、遺伝子障害の根治にこれを求めた。それがこの騒ぎだ」
貴賓室にあるモニターには先程の場所に報道陣が殺到し、大司祭が淡々と語っていた。そしてマーシャンの使節団代表らも同席している。
「さて、火星から来た若人、これが地球の現状だ。だからこそオーストレール政府首脳陣らもあの様な仕掛けを施して地球圏に派遣する結論に至るのも無理はない……遺伝子調整が必要とされている職業に基付き調整されている所なら尚更な……」
マーズコロニー郡でも一際珍しいが火星の環境や資源を考えると無駄な人材を出したくないのだ……国王陛下も理解した故に云う。
「だが、完ぺきではない。姉はオーストレールのシンボルになるべく調整された……だが姉はどのようにして生きるかは自分で決め人々に尽くして歩む事を望んだ……五年前の話だ」
アグニスは言う。
「だが、忍び込んだ船は遭難……捜索も打ち切られたが一人だけ諦めが悪い方が出ましてね」
「ラクス嬢と勘違いしたって言うけど、大丈夫なのか……」
これにはアグニスらも首を横に振る……マリューもナタルも扱いに苦労している事は目に見えた。


「では、本当に……偽者なんですね」
「はい、私の影武者計画は前々からありましたが……」
アイザックはジュール隊長にどう説明するべきか迷っていた。食堂にてアイザックはその場で伏せてしまった。
「そこら辺はディアッカは考えるさ、何よりアスランがね……」
キラは今アスランと通信が開けば愚痴が聞く羽目になると思う。
「そろそろだね……ガルナハン攻略」
キラの言葉にその場にいた全員が思う。
地下基地内の食堂は広く、ここでもミーティングをする事もあり大型モニターが幾多もある。スカンジナビア王国の工作員が撮影した映像には基地から出撃するミネルバに随伴するインパルスが飛行していたのだ。
「ザフト軍は現地に展開している部隊に加えてグラディス隊か……予想通りだな」
モーガンは腕組みして告げるとバルトフェルトは違和感を感じた、インパルスをここで出す事に……。
「隊長、“自分ならインパルスを分離状態で洞窟内で飛行させて奇襲をする”って言う顔ですね」
「ははっ……マユ、その通りさ、アスランめかく乱させるつもりか」
「連合は基地周辺にどれだけ洞窟があるのか存じているのでしょうか?」
ナーエの言葉にアグニスはきっぱり言う。
「無理だろう、連合の末端である前線指揮官や兵士があのようでは連合勢力内の現地住民も良い顔をしない……逆にザフトには良い顔をする」
先のユニウスセブン巨大破片落下事件の後に先に救援に動いたのはプラントでありジブラルタルとカーペンタリアから各地に部隊を展開させた。
ガルナハン周辺地域は前世紀から世界に取り残された国々が多く、この様な所ではインフラは脆弱だ……案の定破片一つの落下で影響が広範囲に及んだがザフトが災害救助をしたお陰で持ち直した。これも換装装備を一早く兵装のみならず後方支援や救援にも応用したプラントの抜け目ない戦略だ。
「資源が限られている事を幼い時から知っている火星圏コロニーにとっては人材活用も大変だな」
「この様な事が無い様に遺伝子を調整するか、正直言えば人間性を失っているかもしれんが……地球も何時火星と同じようになってしまう可能性もあるか」
モーガンはボソッと告げモニターを見る。


「ー私達が今見ているインパルスが囮?ー」
「はい……今ミネルバの傍にいるインパルスは恐らく兄が操縦しているモノと違います」
アークエンジェルの艦橋に居るミリィは目を白黒させ、ジェスが云う。彼はアーモリーワン襲撃事件直前までインパルスを取材していたのだ。

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