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月野うさぎ、髪を切る
その他リレー小説 - 二次創作

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月野うさぎ、髪を切る 3

カリコは引き続き、うさぎの髪の毛に鋏を入れていった。
それと同時にうさぎの涙も止まらなかった。

(あいつがあたしのことを…『お団子頭』と言ってくれていた頃が懐かしく思えるのはどうしてなの…?)

うさぎの髪の毛はどんどん短くなり、カリコは襟足のところに鋏を入れていった。

「髪の毛を乾かしますので、カットクロスを一度外しますね」
「はい…」
カリコはうさぎの首に巻いてあったカットクロスを外した。
うさぎの長い髪の毛はするっと落ち、短い髪の毛は多少落ちていった。

「もう一度、巻きますね」
「はい」
カリコは再びカットクロスをうさぎの首に巻き、ドライヤーをかけた。

「熱くないですか?熱かったら、おっしゃってください」
「はい、大丈夫です」
うさぎの髪の毛を乾かすと同時に短い髪の毛がパラパラと落ちていった。

(なんだか…。軽くなった感じがする…)

「月野様、気分はいかがですか?」
「あ、はい…。軽くなった感じがします」
「とてもお似合いですよ」
「は、はぁ…」
「もうお外は暗いので、私の車で月野様のお家までお送りします」
「え…?もうそんな時間!?…ご、ごめんなさい。あたしがヘアースタイルで悩んでいたせいでこんな時間にまでなってしまって…」
「いいえ、気になさらないでください。ご家族の方、月野様のヘアースタイルを見たらきっと驚かれますね」
カリコはドライヤーを止めてうさぎの肩にのせていたタオルとカットクロスを外し、うさぎに角型バックミラーを渡してスタイリングチェアを回した。

「後ろはこのような感じです」
「はい、ありがとうございます」
「ではヘアカット終了でございます。お疲れ様でした。レジカウンターにどうぞ」
うさぎとカリコは女性店員のいるレジカウンターに向かった。
「月野様、お疲れ様でした。お代は3500円でございます」
「はい…。(あたしのお小遣い、もうないよ〜…)」
うさぎはカバンから財布を出し、カット代を支払った。

「ちょうどお預かりいたします。次回から使えるクーポン券です」
女性店員はクーポン券をうさぎに渡した。

「ありがとうございます。(へ〜…。ヘアカットのクーポンなんて初めてもらったよ)」
「月野様、行きましょう」
「は、はい!ありがとうございました」
うさぎとカリコは店を出た。

「またのご来店をお待ちしております」
女性店員達は声を揃えて言った。

その頃、うさぎとカリコは車に乗っていた。
「あの…。本当に…ありがとうございました」
「いいえ、気になさらないでくださいね」
「は、はい…。(ヘアカットで帰りが遅くなっちゃったし…。パパとママ…。進悟はこんなに短く切ったあたしの髪型を見てなんて言うのかな…)」
「月野様のお宅はこちらでお間違いないですか?」
「は、はい」
カリコはうさぎの家の前に車を止め、二人は車から降りたと同時に風が少し吹いた。

(本当…。髪の毛が軽い…)

カリコはうさぎの家のインターホンを押した。
「はーい」
うさぎの母親・月野育子は玄関のドアを開けた。

「た、ただいま…」
「お帰り…。…うさぎ!?どうしたの?その髪…」
育子は短く切ったうさぎの髪型を見て驚いた。

「夜分遅くに申し訳ありません。美容院・カリコ床山の店長のカリコ床山と申します。お嬢様のヘアカットをしておりましたらこのように遅い時間になってしまったので、お送りいたしました」
「は、はぁ…。ありがとうございます…」
育子は状況がよくわからなかった。

「では、失礼いたします」
「ありがとうございました」
うさぎはカリコに礼を言い、カリコは帰って行った。

「ママ…。帰りが遅くなってごめんなさい!いつもの…お団子頭じゃないからびっくりしたよね…?」
うさぎは不安そうに育子に問いかけた。

「そうね、びっくりしたわ。…だけど、すごくかわいいわ」
うさぎの心配をよそに、育子は笑顔で答えた。


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