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月野うさぎ、髪を切る
その他リレー小説 - 二次創作

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月野うさぎ、髪を切る 2

(お団子頭)
うさぎはふと衛の言葉を思い出した。

「毛先を…揃えますか?」
「あっ、いいえ…」
うさぎは髪を切ることにまだ戸惑っていた。

「お疲れ様でした」
「ありがとうございました」
美容師Bはうさぎの隣のスタイリングチェアに座っている同い年くらいの女の子・セーラーマーキュリーこと水野亜美のヘアカットを終えたところであった。

「あら、月野さん?」
「水野さん…。ここの会員なの?」
「ええ。2ヶ月に1回ほど、ここに来て髪を切ってもらっているの。あっ、ごめんなさい。この後、塾だから。また明日ね」
「うん、またね」
亜美はヘアカットを終えてレジカウンターに向かった。

(ショートカットかぁ…。そういうのもいいかな…)

「月野様?」
「あの…。さっきの子みたいにショートカットやベリーショートにしたら…変ですか?」
「そうですね…。こちらのショートボブはいかかですか?お手入れがとても楽で乾かすだけです」
「は、はぁ…。じゃあ、お願いします」
「かしこまりました。ではシャンプー台にどうぞ」
「は、はい」
うさぎとカリコはシャンプー台に移動し、レイと女性店員Aはスタイリングチェアに戻った。
「どうぞ、お座りください」
「ありがとうございます」
うさぎはシャンプーチェアに座わった。

「失礼いたします」
カリコはうさぎの肩にタオルとカットクロスを被せた。

(なんか…。ドキドキして来た…)

「月野様。髪、ほどきますね」
「はい…」
うさぎのお団子頭が解かれ、さらさらの髪が広がった。

「きれいな髪ですね」
「ありがとうございます」
うさぎはあまり髪の毛について褒められたことがなかったせいか、少し照れていた。

「あれ?月野さん…だっけ?」
うさぎに声をかけたのは同い年くらいの女の子・セーラージュピターこと木野まことだった。

「うん、木野さんも来てたんだね。ヘアカットに来たの?」
「うん、毛先を揃えてもらったんだ。いつものお団子頭じゃなくて髪の毛を下ろしているから誰だかわからなかったよ。あっ、スーパーのタイムセールに行くから帰るね」
まことはレジカウンターに向かった。
「月野様、椅子を倒します」
「はい…」
うさぎはシャンプー台に寝かされる形になった。

「顔にタオルをかけますね」
「はい…」
「失礼いたします」
カリコはうさぎの顔にタオルを優しくのせ、シャワーを出した。

「熱くないですか?」
「はい…」
うさぎの髪の毛をお湯で充分に濡らした後、シャンプーを3プッシュほどしてうさぎの髪の毛にすりこんだ。
入店して30分後、ヘアスタイルに悩んだうさぎのシャンプーが始まった。

「おかゆい所がありましたら遠慮なくお申し付けください」
「は、はい…」
カリコは前髪から襟足までうさぎの髪の毛を丁寧に洗っていった。

「(シャンプーが丁寧で気持ちいい…)もう少し右、お願いします」
「はい」
カリコはうさぎに言われた通りにシャンプーする。

(本当に気持ちいいなぁ…)

その頃、レイはヘアカットを終えて店を出た。
(シャンプー台ですれ違ったお団子頭の女の子…。どこかで会ったような気がする…)

その頃、カリコはシャンプーを丁寧に流していた。
リンスもシャンプー同様、3プッシュほどしてうさぎの髪の毛にすりこんでいった。

(リンスも丁寧にやっていて全然不快にならなくて気持ちがいい…)
うさぎはシャンプーとリンスが心地よかったらしく、少しうとうとして来た。

「リンスを流します」
「はい〜…」
カリコはリンスを丁寧に流した。
やがてシャンプーとリンスが終わり、カリコはタオルを出してうさぎの髪の毛を丁寧に拭いた。

「お疲れ様でございます。タオルを巻きます」
「は〜い…」
カリコは手際よくうさぎのロングヘアをタオルで巻いた。
「ではスタイリングチェアに戻ります」
「は〜い…」
うさぎとカリコはスタイリングチェアに戻った。

「タオルを外します」
「はい…」
うさぎの髪に巻いてあるタオルを取り、整えた。

(本当に…。もうこの長い髪の毛とはサヨナラしちゃうんだ…)

カリコは鋏を取り出した。
「前髪は…どうなさいますか?」
「あっ、そのままでいいです」
「かしこまりました。それでは、後ろ髪を短く切らせていただきます」
「はい…。お願いします」

カリコはうさぎの髪の毛に鋏を入れ、切られた髪の毛は床に落ちた。

「あ…」
うさぎの目から涙がこぼれ落ちた。

「月野様、気分でもお悪いのですか?」
「い、いいえ…。どんどん…切ってください」
「今からだと切り揃えることが可能ですが、本当に短くしてよろしいのですか?」
「はい…。申し訳ないんですけど、ヘアカットの間だけでいいので思い切り泣いてもいいですか?」
「…はい。かしこまりました」

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