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機動戦士ガンダムSEED DESTINY ANOTHER
その他リレー小説 - 二次創作

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機動戦士ガンダムSEED DESTINY ANOTHER 4

そう・・・その日もこんな晴天だった・・・。(まあ、プラントに雨なんて降らないけどさ)
その日の訓練は、軍学校用語で言う遠足だった。
もっとも、当然一般の学校で言うほのぼのとした代物じゃ無い。
背嚢に三十キロの重しを入れて、自然環境再現様のコロニーを端から端まで往復100km走破するというサバイバル訓練だ。
「整列!!気をつけー!!」
教官の掛け声を受けて学生たちが、整然と並ぶ。
「これより楽しい楽しい遠足を始める!!お前たちには、これから背嚢装備総重量三十キロを背負って、往復100kmを走破してもらう!!タイムリミットは、明日の朝!!当然夜中に眠りこけていては、タイムリミットには間に合わない!!だが安心しろ!!一晩徹夜で歩き続ければ、十分間に合う時間と距離だ!!どうだ!!楽しそうだろう!!」
教官のザディスティックな言葉に内心少しだけ殺意を覚えながらも、俺たちは肯定の返事をする。
「「「「「「「「ハイ!!」」」」」」」
「そうだろう・・・そうだろう・・・イイか!!宇宙軍だ!モビルスーツだ!と何だかんだ言っても、戦争で最後に頼りになるのは、自分自身の体力と根性だ!!俺は貴様らヒヨッコ共が一人前のザフト軍人に育つまで、タップリと可愛がってやる!!この程度の訓練鼻歌交じりに熟して見せろ!!以上!!」
教官は一度唾を飲みこむと、訓練開始の号令を掛ける。
「ハジメ!!!!」
「「「「「「「「ハイ!!」」」」」」」
返事と共に学生たちは、我先に足を踏み出していく。
「フフフ・・・今年は何人脱落しますかね?」
「さあ?・・・まあ今年も例年通り三分の二残れば良い方でしょう」
「我々コーディネーターは、普段コロニーという完全な人工都市に住んでいるせいで、こういった自然環境に慣れていませんからね」
「だが、何れ再びザフトが地球に降り立つ日が来ないとも限らん・・・この手の訓練は必要でしょう」
「滅多な事を言うもんじゃ無いですよ・・・まあ残念ながらその通りですが・・・」
「何時いかなる時も最悪の事態を想定し、備えるのが軍人の役目ですよ」
「それで例のあれは何時降らせるので?」
「まあ日が落ちてからですな」
「つくづく人が悪いですね」
「さて、我々も折り返し地点に向かいましょうか。」
教官の一人が視線を向けた先には何故か、自分のペースを保ちながら進むレイこと、レイ・ザ・バレルの姿があった。
優秀な彼の事だ、何もなければ余裕でこの訓練もクリアするだろうに・・・教官の目には陰りさえ浮かんでいた
「ああ、途中の森に背嚢を隠してズルをしたり、怪我を『させられた』学生達のフォローをしないとな・・・・」
若い軍人の卵を見送りながらの教官達の不吉な会話は、誰の耳に届くことなく消えていった。



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