「待ってピエール、門が閉まってるわよ」
「大丈夫、ちょっと下がってて」
ピエールは気合いをためた。
「はっ！」
ジャンプして剣を振り下ろす。
ザシュッ
門に亀裂が入った。
ビシビシ…ゴトッ
門が割れた。
「わっ！すごーい！ピエールやるじゃない」
子供のようにはしゃぐメリーナ姫。
「（…こんなこと褒められてもなあ）」

ちょっと照れるピエール。
「さあ、行くよ」
「はぁーい」

城をズンズン進むピエール達。
「ねえ、ピエール」
スラリンが話しかける。
「何だ？」
「魔王が復活してモンスターが敵になっちゃったのに全然出て来ないよね」
「…確かにヘンだよな」
これには裏があった…。
「いいじゃない、仲間を殺さなくていいんでしょう？よかったじゃない」
「まあ…」

考えても答えが出ないので、メリーナの言うようにいい意味で捉らえるしかなかった。

更に奥に歩を進めると、目の前に重厚な扉が現れた。
咄嗟にピエールは悟った、この先に魔王がいると。

「ねぇピエールこの城って…」不安そうなスラリン。
「行くわよ！！ピエール！！はっ！！」
自称格闘家と言うだけあり、メリーナの蹴りは扉を破壊する。
「す、凄い…いやいや、落ち着いてメリーナ姫、こんな所で力使っちゃまずいよ」
ピエールが話かけた時メリーナは既に部屋の真ん中にいた。
「出てこい魔王！！」
――きたきた…
「がっはっはっは、わしが魔…えっ!?」
「うりゃああああ！！」
メリーナの拳は、魔王であろう男の胴体に次々に音をたてめり込む。
ドカッ!!ガスッ!!ドガ!!…
「あわわわわ!!メリーナ姫そこまで!!ストップ!!」