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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜
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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜 48


その頃ピエールたちは、暗い森の中の風景に唖然としていた。
「リーダー、木の上からぶら下がってるのって、人骨ですよね…」ブレッドは剣を握り締めていた。
「ミノーンか?しかし糸の質が違う…」
森の中では糸で吊るされた骸骨がいくつもあった。辺りにモンスターの気配はないが、何か恐ろしい事が起きそうな気にさせた。
「気味悪い…、こんな森早く抜けましょうリーダー!!」ブレッドは息を荒げて走り出した。
「待て、ブレッド!!」ピエールが叫んだ時には、ブレッドは既に捕まっていた。
「何だこの糸、う、動けない」
「久しぶりの獲物だ…、味わって喰ってやるよ、キッキッキ」
ピエールの目の前でブレッドは宙に浮いていた。よく見ると十字の糸がブレッドを固定している。
「レミーラ!!」ピエールは上に向けて光りを放った、するとそこには声の主がいた。スラリンを土台にするとピエールはおもいっきり飛び上がり、火炎斬りを放つ。
敵は反射的にぶら下がっていた糸をきり、地面へ下りる。
ブレッドの前に飛び下りて来たのは、骸骨の顔を持つ紫色の巨大な蜘蛛で、上顎から鋭く大きな牙をむきだしにしていた。頭には2本鬼のような角を持ち、8本の足先にはそれぞれ2本の爪がついている。
「テメェ、自分がなにやったか分かってんのか?勝手に縄張りに入ってきて攻撃とは…、裏切るつもりか?スライムナイトさんよ…」
「悪いが最初から仲間だと思っていない、仲間を解放しろ、さもないと…」
ピエールは剣先を“クモの化け物スカルスパイダー”に向けた。
「ハハ〜ン、お前が裏切り者のスライムナイトか…、お前を殺せば魔王様からボスの座をあるいは…」
「心配するな、そんな報酬もらえはしない」
「…キッキッキ、いたぶって殺してやるよ!!」
スカルスパイダーが紫の息を吐くと、ピエールはそれを避けきれずに毒に冒されてしまった。
「死ね…」スカルスパイダーがそう小さく呟くと、森の木々を焼きながら稲妻がピエールに向かって落ちてきた。
轟音と共に光に包まれた森は一部分焼けて穴が空いていた。そしてそこにピエールの姿はない。
「キッキッキ、光になっちまったか」
「リ、リーダー!!」
スカルスパイダーは炎の中に入りピエールの残骸を探した、鎧のかけらさえ残ってないのが気にかかったが、そこで高笑いをした。
ズブッ、気分のよかったスカルスパイダーの背中に、嫌な音と感触がした。自分の背中を見てみると、そこで紅い服を着た剣士が剣を刺して笑っていた。
「キッキッキ…、何で貴様が生きていて…」
「仇討ちだ、同情の余地は…、ない」

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