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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜
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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜 49

紅い剣士は剣柄を握り変えると、空に向かって斬り上げた。スカルスパイダーの体は真っ二つになり、光になって消えた。
剣士は剣を腰に戻すと、何事もなかったように森の奥へと歩き始める。ブレッドは急いでそれを止めた。
「おいお前、リーダーをどこにやった!!」
剣士は無言で顎を振る。顎の先にはピエールとスラリンが倒れていた。ブレッドは急いでピエールたちのもとに駆けて行く、ピエールたちの息を確認するとブレッドは剣士のいた方を振り返るが、既に剣士の姿はそこになかった。
「何者だ…、あいつ」
ブレッドが眉をひそめていると、ピエールたちが目覚め始めた。ピエールは目覚めが悪いのか頭を押さえながら数回首を横に振っていた。
「大丈夫ですかリーダー?」
「ああ、大丈夫だ、ちょっと頭がクラクラするが…」
ピエールはスラリンの頭を軽く叩くと、それを杖がわりにして立ち上がった。
「きっと毒がまだ治ってないんですよ、ちょっと待ってくださいね?キアリーぐらいならあると思うんで」
そう言うとブレッドは腰につけていたポーチから魔法書を取り出しページを捲る。
「ええっと…キアリーキアリー…」
「ん?ブレッド、あれ…」
ブレッドがキアリーの項を探していると、スラリンが何かに気付いた。
「どうした?」
スラリンの視線の先には茶色い小袋が落ちていた。
「なんだこりゃ?…あ!これは毒消し草…」
そう、小袋の中には毒消し草が入っていたのだ。
「(まさか、さっきの奴が…?まあいっか、ラッキーラッキー)」
ブレッドは小袋を持ち、ピエールに近付く。
「リーダー、毒消し草です。食べて下さい」
「ううっ…んっ……はぁ…はぁ…」
荒めの呼吸が和らぐ。
「大丈夫ですか?リーダー?」
「あぁ…大分楽になったよ」
「よかった…雷が落ちた時はダメかと思いましたよ」
ピエールは周囲を見渡す。
「リーダー?」
「あの時、誰かに助けられたような気が…」
「ああ、やっぱりさっきの奴が…。冷たそうな感じでしたけど、毒消し草置いていったし案外いい奴かも」
「で、その人は?」
「何処か行っちゃいましたよ」
「そうか、礼くらい言いたかったな」
「…ジョーさん達がいればなあ」
スラリンはボソッと言った。ジョー・カイン・リンダとはロザリーヒルで別れている。
「何だと?俺一人じゃ頼りないって言いたいのか?」
「別に…」

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