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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜
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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜 47

「心配するなって、離れてもお前は俺達の仲間だ」
「…ピエール殿、これを受け取ってください」
ジョーは自分の腰から剣を外すと、それを両手に持ち、ピエールに差し出した。
「破壊の剣と言います、扱いは難しいですが切れ味は保障します…、私の事なら大丈夫、雷鳴の剣がありますから」
ピエールはその剣から嫌なオーラを感じた、しかし断わるわけにもいかず、その剣を受け取る事となってしまった。

翌朝…
次の国トルーランを目指すピエールたちの中に、ジョーの姿はなかった。


─トルーラン城…
赤い絨毯(じゅうたん)を辿って行くと、そこには玉座があった。
そこに座るのは真っ赤なコートはおり、頭にきらびやかな王冠を被った白骨死体だった。骸骨の目から牙をもった大みみずが顔をだす。
「お前ら、頭がたけぇ!!土下座しろお!!」
玉座で大みみずがくねくね動きながら、大声を出す。甲高い声で笑う大みみずは、口からダラダラとよだれを垂らしていた。
「うるさい!!」
その声と共に玉座に座った王様は砕け散った。床に倒れた大みみずに、突然現われた黄金色のさそりアーマーが近付いていく。
そして、さそりアーマーは大みみずを睨み付ける。主の視線にビクッとなる大みみず。
「スッ、スコービオ様…」
「貴様のような下劣な奴は我が軍にはいらん」
そう言うと、スコービオと呼ばれたさそりアーマーの鋼鉄の尾が大みみずを襲う。
「ぶぎゃぁっ!」
吹き飛ばされた大みみずは城の壁に叩き付けられ床に落ちた。
「リップ、オーブ護送の準備はできとるんだろうな?」
「もちろんよダーリン、ブッチュ」スコービオの問いに、後ろから現われたリップスが答える。大きな唇が不気味に見えた。
スコービオは「そうか…」と答えると、しばらく黙り込んでしまった。
「ここの王はなかなか面白い奴だったわね、民を逃がす為に自らが囮になるなんて…、まぁそのせいでオーブの発見も遅れた訳だけど」
リップはスコービオに話しかけたが、それに対し彼は天井のシャンデリアを見上げ、「あの剣士、いつか必ず…」と小さく呟くのだった。

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