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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜
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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜 39

諸刃斬りの反動で動けなくなってしまったピエールに、リンダの鋼鉄の尻尾が襲いくる。ピエールは盾を前に出し身構えた。
しかし、尻尾の風をきる音はピエールの前で突然止まった。
「ゴレムスが作ったもんを、俺が壊せないはずねえよ!」
ブレッドが剣を床に刺し、リンダの尻尾を食い止めていた。そしてその刃を尻尾に突き立てると、尻尾を紙のように斬ってすてた。
「“破壊神”ブレッド参上!」
ブレッドはゴレムスの本を床におくと、リンダを見て小馬鹿にするように笑った。
「ゴレムスもよく飽きないな…、大切断!!」
ブレッドはリンダの懐に潜り込むと、ピエールの残した傷跡を更にえぐるようにして、その胴体を真っ二つにした。
胴体を斬られバランスを崩したリンダは、そのまま床に崩れ落ちた。
「ジョーさん、トドメを!!」
ブレッドの声を聞くとジョーは盾を投げ捨て、剣を振り上げた。
「うおおお!!メタル斬りぃ!!」
「そこまで!」
ジョーの前に突然老人が両手をひろげて飛び出す、ジョーは剣を床に突き刺した。
「リンダちゃんの負けじゃ、“破壊神”ブレッドの噂はホントだったのだな…」
老人は苦笑してブレッドを横目でみた。ピエールもブレッドを不思議そうに見つめる。
「リーダー、そんなに見つめられたら顔に穴があいちまうっす」
「…破壊神って?」
「いやぁ、昔からゴレムスの作ったモンスター相手に修行させられてて、倒すコツというか剣技を覚えてるってだけですよ」
「それで破壊神?」
「反抗期に一回家出しようとして、ゴレムスの護衛モンスターを全滅にして、ゴレムスにも重傷を負わせた事があったんすよ」
『納得』
ピエールとジョーは声をそろえてそう言うと、頷いた。
「リンダちゃんがズタズタじゃ…、この奥の部屋に光の木の実はある、持ってけ。それとこれ持ってけ、炎の種じゃ」
「ありがとうございます」
ピエールは老人から炎の種を受け取った。
「やれやれ、惨いのう」
老人は弱々しく鳴くリンダを抱きしめた。
「あっ!リーダーありました!」
既に奥の部屋に入っていたブレッドが白銀の木の実を高々と掲げる。

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