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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜
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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜 20

「へぇ〜、じゃあ貰っちゃおうよ」
軽いノリで言うスラリン。
「申し訳ないのですが、世界樹は希少価値の高いモノで量も少ないんです。だから、見知らぬ方においそれと渡す訳にはいかないんですよ」
「ケチ!」
スラリンが吐き捨てるように言う。
「バカ!いやぁ、すみませんねぇ。このスライム反抗期で」
ピエールはスラリンの頭をグリグリしながら言った。
「ところで、こんな夜分に来られるとは、あなたがた旅の方ですか?」
「はい、サンライトのほうから」
「ほう、サンライトとは随分とご足労ですね」
「いえいえ、ところでわたぼうさんは副議長なんですよね?では議長も?」
「はい、議長は只今外出中で、そろそろ戻られるかと、名前は──」
「ピエール、もういいじゃん、それより宿屋!!疲れたよ〜」
しばし沈黙がながれた。
「そうだねスラリン…、すみません、我々はそろそろ宿をとろうかと思います」
「ではこの地図を持っていかれるといいでしょう、もちろん宿屋もしっかり載っています」
ピエールたちはお礼を言うと、地図にかいてある宿屋を目指した。大きく手を振っているわたぼうがじょじょに小さくなっていった。
「ここだね、ピエール」
二人は宿屋で一人分のお金を払うと、すぐにベッドに飛び込みそのままぐっすり寝てしまった。


「ん…、ピエールがいない」
スラリンが朝目覚めると、ピエールの姿がなかった。落着かないスラリンは一人部屋の外に出た。
「ピエールみ〜っけ♪」
ピエールは廊下の窓から外を眺めていた。外は霧に包まれ、大きな世界樹だけがその姿をみせている。
「この霧…、すごい光景に思わないか、スラリン」
「うん、すごいね」
二人はなぜかしみじみしてしまった。
ロザリーヒルは今日も静かな朝を迎えた。

その頃、遠く離れた町では火の手が昇っていた。
「メラッ!」
魔法を使える人間が呪文を放つ。
しかしあえなく敵に弾かれてしまう。
「ククッ、この程度で我が植物軍がやられると思うか?」
「ひっ!うわああっ!」
逃げ出す人間。
「ククッ、逃がさんぞ」
そのモンスターは焼けつく息を吐いた。
「うぐっ!かっ、体が…」
「さあトドメだ、メラミ!」
モンスターから放たれた高熱の火球がその人間を捕らえ燃やす。
「ぎゃあああ!」

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