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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜
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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜 17

スラリンは言われた通り全力で走った、背後からドスドスと、足音が迫ってくる。
「待てモンスター」
ドン、背後で大きな音がした、そして頭の上を何かが飛び、それは二人の前にたちはだかった。スラリンには鎧を着て両手に剣を持った、角のはえた大きなモンスターに見えた。
「エスターク…」
ピエールの握るプラチナソードがこきざみに震えていた。
「ピエール?」
「スラリン、心配しなくていい…、エスタークよ、そこを通してくれないか」
「この森にいたモンスターたちは我が斬り捨てた、残るはお前たちだけのようだ、通りたくば…」
ピエールは小さく頷いた。プラチナソードの震えはなくなり、その手に力が入る。
「スラリン、あいつに向かって走れ、後は俺に任せろ」
「分かった」
スラリンは跳ねた、いつもより早く、そして力強く。
「正面からだと?我をエスタークと知っていて正面から挑んでくるとは、勇者か…、余程の馬鹿とみた!!」
エスタークは左手の剣を地面にさすと、両手で右手にあった剣を握った。
プシュ、エスタークの前から突然ピエールたちが消えた。レミーラの効力も消え、森の中は闇に包まれた。
「き、消えた!?……、上か!!」
エスタークが急ぎ上を見ると、暗闇の中でピエールのプラチナソードが光っていた。ピエールは空中より魔神の如き勢いで、エスタークに斬りかかった。
「!!」
ザグッ!
ピエールの剣がエスタークの額を捕らえる。
「うおおお!」
大きな音を立てて、エスタークが倒れる。
ピエールの最高秘技、魔神斬りが決まったのだ。
スタッ
「ふう…」
一息つくピエール。
「やったね、ピエール」
「…ああ、早く行こう。もうすぐ町だ」
「……待て」
エスタークが起き上がる。額からは大量の血が流れ出していた。
「…ダメか、今の俺の最高の技なのに…」
ピエールは唇を噛み締める。
「やってくれたな、スライムナイトの分際で我を傷付けるとは生きて帰さんぞ!」
エスタークは両手に剣を握りピエールを睨み付けると、額の傷があっという間に塞がった。
「どうするの?ピエール」
ピエールの下でスラリンが震えだした。
「大丈夫、我に秘策ありさ♪スラリン、目をつむって走る準備」
ピエールはスラリンにしか聞こえないよう、小さな声でそういうと剣をしまい、両手を大きく開いた。
「ふっはっはっは、どうした?剣をはなすとは戦を諦めた者がする事だ…、潔き魔物よ、死ね!!」

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