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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜
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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜 16

「ちょっ、えええ〜!!」
ピエールが止める間もなく、スラリンは宙を舞っていた。
「いい眺めだねピエール」
「………」
カチャカチャと鎧のすれる音だけがスラリンに返事をした。星空の下、崖下の森の中へ二人は飲まれていった。
「…ピエール、大丈夫?」
「…大丈夫じゃない」
ピエールは落ちた時の衝撃で全身を震わせていた。
スライムは柔軟性があるので、全くのノーダメージな訳だ。勘弁してくれと内心ピエールは思った。
「森に飛び込んだまではよかったんだけど、暗くてよく見えないね、ピエール…」
ボゥ、ピエール人差し指に温かい光が灯った。指の光が辺りを照らす。
「レミーラ、っていうんだ、普通は洞窟で使う魔法だけど、暗さはこの森も変わらないからね」
「いつ覚えたの?そんな魔法」
「秘密さ♪さて、飛びおりた方向から考えて…、あっちだ、行くぞスラリン」
「うん」
とても素直なスラリンは跳ねる、ピエールを乗せて跳ねる。暗い森の中、なぜか二人はモンスターに会う事がなかった。
「ねぇピエール、この森おかしくない?」
「ん?何が?」
「普通に考えてこういう森には、キメラとかマドハンドとか出てくるもんじゃないかな?」
「まぁ確かに…、魔王によって暴走したモンスターが一匹もいない」
ピエールはスラリンの上で考え込んだ。腕を組んで首を傾げるが答えは見つからない。
「退屈だね?」
スラリンは笑ってみせた。二人は跳ねながら森の中を進んだ。出口の光が見えかけた時――
「おいモンスター、止まれ」
二人は突然背後から声をかけられた。それは低い声で少し怖い感じがした。
「スラリン止まるな、急いで走れ」
「どうしたの?ピエール」

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