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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 64

「いるじゃない。ここに魔法教会の一番の長でマジックキャンセラーが」
「私だけじゃ
「そしてもう一人、この世界で一番紫電の戦乙女に近い私が」
「……試すのはいいわ。成功するなんて分からない。成功したとしても玩具箱に対抗できないと判断したら私は今度こそ貴女を連れて帰るわ。いいわね?」
「ええ。どうせ現状じゃ帰るしかないもの。大博打してみましょう?」
「はぁ、行き当たりばったりなところ、そして私をワンちゃんって呼ぶところ、本当にそっくりね?」
「当たり前よ、娘なんだもの」
魔力の源を探る。
集中するとその輪郭が分かって来る。
そいつを引きずり出すだけ。
もう私の魔力も少ないからチャンスは1回。
使い慣れた魔力の通り道を逆に辿って魔力の源まで辿り着く。
途中、フラッシュバックかのようにお母さんを追い続けてる昔の私のイメージが流れる。
そのフラッシュバックの最後。
母の死を告げられたあの日の夜。
私はここからやり直す。
私はこの日をようやく乗り越えるのだ!

一瞬、母の匂いがした。
懐かしくて、もう二度と感じ取ることができないと思うと泣いてしまう。
でも!
それでも私は前に進む!

さようなら、ありがとう、お母さん。
雅は、自分の魔法で生きていきます。

それを一気に引きずり出す!
「ああああああぁぁぁぁぁ!!」

「んんんんわんっ…だふるぅぅぅ!!」
綺羅綺羅世界の魔法が私を包む。
その淡い橙色のヴェールは暖かく、ドクン、という鼓動と共に私の胸から紫色の輝きを出した。
それはふわっと霧散し、その粒子が文字になった。

Lightning of Amethyst

そして文字はまたも粒子になり、私の体の中へ入っていく。
その粒子はもう底を突いていた私の魔力を完全に回復させた。
そして、私はゆっくりと私を確認し始めた。
だってそれとは久しぶりに会うのだから。
しかも私の都合で一方的に突き放していたのだ。
どう、会話すればいいのか……。
正直、おっかなびっくりだ。
だが、それは私の杞憂だった。
遠慮しがちに、それこそ恐る恐るそれに触れた。
すると、驚くくらい自然に私を受け入れてくれた。
よく考えれば当たり前と言えば当たり前なのか。
私自身の魔法なのだから。

「雅ちゃん……?ど、どう…?」
私が黙っていると堪らずワンちゃんが声を掛けてきた。
「うん、特に変なところはなし。無事に封印は解けたみたい」
「そう。とりあえず、おめでとう、でいいのかしら?それで、魔法のほうはどうなの?」
ワンちゃんはいきなり核心に触れてきた。
少し変な言い方になるのだけども、正直に言って私は私の魔法がどんなものかを知らない。
正確に言えば、覚えていない。
小さい頃、当時住んでいた家を壊したことがあるらしい。
そりゃあもうまるっ焦げだったらしい。
母と同じ、という記憶はあるから紫電だとは思うけど……。
「ワンちゃん、何が出るか分からないというのが正直なところなの。自分の身はお得意のマジックキャンセルで自分で守って」
「なんだか物騒ね……分かったわ」
「あ、あと……」
「なによ?」
「……ショボくても……笑わないでね?」
「……っ…抱き締めたいわっ!」
「いや!」
えー、というワンちゃんの顔をよそに、私は集中する。
触れていた魔力を腕へと流す。

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