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GENIUS・PLUS
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GENIUS・PLUS 2

鞍馬くんが私に餃子をすすめようとした瞬間、醤油口がテーブルから落ちる。
醤油口は地面に落ち、醤油を撒き散らしながら破裂…………………しなかった。
醤油口が宙に浮かんでいる。
すぐさま鞍馬くんが醤油口を掴み、テーブルに戻す。
「ふぅ…危ないとこでした」
ビシッ!
額にデコピン。
「痛っ!何すんですか、所長!」
「公の場で能力を使わない…」
私の助手、鐙鞍馬くんは『重力の天才』である。
彼に頼むと魔法使いみたいにモノを浮かせたりすることができる。
もちろん、何かを押さえつけることも。
さっきは男を押さえつけることで、私の回し蹴りがヒットすることができた。
能力は強いのだけど、いまいち体力が無いのが頼りないとこである。
ラーメンを食べ終えた私達は生神天才事務所に帰る。
あれから8年が経過した。
当時16歳だった私は24歳。
今や生神天才事務所の所長となった。
お母さん…生神神子は事務所を引退。今は医者としてそこそこ有名になった。
ちなみに…まだ結婚してない。
生神天才事務所は昔と変わらずに『天才』に関する仕事をしている。
助手の鞍馬くんと2人だが、なんとか仕事はやっていけている。
あの時に比べれば1人、足りない。
その1人、『対等の天才』、才気無色はちょうど6年前、彼が成人式を終えた日に、忽然と姿を消した。
彼の住んでいたアパートは既に空っぽで、おそらく唯一『発見』できるお母さんに聞いても「私にも分からない」と言われた。
私達に何も言わずに去るような人ではないから、何かあったのかもしれないが、私達にその何かを知る術は無かった。



『異常天才病棟』も大きく姿を変えた。
『異常天才病棟』という正式な名前は変わらないが、『異常天才』の増加により少しだけ大きくなった。
通称『あかさたな』。
牢獄は4つ増え、『A』『I』『U』『E』『O』『K』『S』『T』『N』となった。
その『あかさたな』の管理人は現在『N』の住人に任せられている。
以前に管理人だった花札恋は今や結婚して、名前を鹿野恋(シカノコイ)になり幸せな生活を暮らしている。
「お…死神ちゃん?良く来たな?俺の女にならね?」
「なりません…」
『あかさたな』に来た私を歓迎してくれたのは『N』の住人であり、管理人であり、『必然の天才』の椿貴色筆である。
あの一件から『異常天才』だけど異常じゃない!をモットーにして頑張っているらしいけど、私が『あかさたな』に来る度に告白するところを見れば完璧に異常だと思う。
「なんか失礼なこと思ってね?」
「いえ…別に。ところで、新しい子は来ましたか?」
「来ねーよ。まったく……死神ちゃんは俺より他の『天才』のほうが興味あるんだかんなー」
「…仕事ですので」
「サイキは帰ってきたか?」
「いえ……まったく帰ってくる気がしません…」
「帰ってかたら『N』にぶち込んでやっか…」

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