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GENIUS
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GENIUS 8

用件は、佐倉翼の天才を『消す』ため。
神子さんが言うには、佐倉翼は『無欲』であるがために生きたいという気持ちが限り無く薄れてしまい、ほとんどの身体機能を停止させ、脳死に至ったという。
にも関わらず1年もの間、心停止しなかったのは奇跡である。
佐倉翼を助けるにはもはや医療という概念では無理らしい。
ただ本当に『無欲の天才』のせいで脳死に至ったとするならば、その天才を消せば可能性がある、とのこと。
「じゃあ…死神ちゃん、お願い…」
「………………」
いつものように小さく呟く。
「……終わった」
「よし、帰ろっか」
俺達はあまりにも簡単な用件を終え、帰路につく。
佐倉翼の『天才』は完全に『消えた』。
つまり彼の『無欲』も『消え』、生きたいという気持ちが彼を目覚めさせるであろう。
実際、この3日後に彼は奇跡的な復活をする。
そして4日後に『異常天才病棟』に入れられた。



『異常天才病棟』の説明をしよう。
『異常天才病棟』とは『天才』の中でも『異常天才』と呼ばれる…つまりオカシイ奴らを監禁する病棟という名の牢獄である。
この施設は限られた…主に『天才』に関わりがある人間にしか知られていない。
『異常天才病棟』は『A』『I』『U』『E』『O』の5つの牢獄がある。
『A』のほうが危険度は低く、『O』のほうが高くなっている。
この呼び名のせいか『異常天才病棟』を『あいうえお』と隠語で呼ぶ人もいて、現在、『異常天才』は3人…『I』『U』『O』にいる。
そしてこの病棟の管理人兼執行者兼看守が花札恋(ハナフダコイ)である。


通称『あいうえお』に2人の人間が入る。
俺と神子さんだ。
死神ちゃんはお留守番。
お気付きの人もいるかもしれないが、神子さんが外に出ているのだ。
「『あいうえお』には来るんですか?」
「『あいうえお』は一応病棟じゃない?私は医者。何か問題でも?」
「いや…だったらなんでこの前のには来なかったんですか?」
「ほら着いたよ無色くん。早くしないと恋に怒られるよ」
無視された。
ドアを開け『あいうえお』に入る。
「遅い。死ね」
看守の恋さんが手厳しく歓迎してくれた。
「はいはい、これお土産ね?」
「ありがとう。死ね」
主人公でも脅威を感じるほどのキャラである恋さんはなんと神子さんの昔からの友達である。
ちなみに未婚の女性。
「最近来たでしょ?新しい子♪」
「来た。死ね」
「あれね…少しだけ私のせい。まさかああなっちゃうとは……ごめん!!」
「死ね。死ね」
「許してくれたよ無色くん♪」
「ひとつも分からないんですけどっ!?」
この2人には特別なテレパシー的なやつがあるに違いない。
「で?どこに入れたの?」
「『A』。死ね」
「『A』?なんだ…わりと普通だったのね?」

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