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GENIUS
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GENIUS 6

「彼女まだ無色くんよりちょっと下くらいなんだよね?なんつーハードスケジュールよ…まったく。そこまでいったらやっぱり彼女は天才ね。きっと死ぬまでそうだわ」
「…ではやはり……」
「ん…『消してあげなさい』。彼女の天才を」
「分かりました」
「死神ちゃーん。『出番』だよー」
「……消すのですか?」
「うん。頼む」
「……分かりました…」
「それにしても勿体ない話ですよね」
「ん?何が?」
「『幸運』を消すなんて勿体ないですよ?少しくらい俺に分けて欲しいですよ」
「は?無色くん、何を言ってるの?」
「え…だから『幸運の天才』を少しでも分けて欲しいなって…」
「あれ?まだそう思ってるの?私、てっきりもう気付いてると思ったんだけど」
会話が噛み合わないとはこのことである。
「気付く?気付くって何にですか?」
そう。俺はまったくもって気付いていなかったのだ。
「彼女……『幸運の天才』なんかじゃないわよ?」
「え…………」
「彼女は『不幸の天才』よ」


「一応大丈夫だと思うけど、何もない場所に呼び出しなさい?」
と神子さんに言われ、まわりに何も無い海辺に冬木かえでを呼び出した。
「あの…こんなところで何を?」
「もちろん、貴女の天才を消します」
「はぁ……」
「その前に貴女の幸運のことについての勘違いから正しましょう…」


「冬木かえでが…『不幸の天才』…?」
「そうよ。『幸運の天才』なんて勘違い…よく出来たものね、無色くん?そこが素敵♪」
「ちょっと待ってくださいっ!!…冬木かえでは何回も『幸運』で助かっているのですよ…!?」
「じゃあ逆に聞くけど…『幸運』なら何で死ぬような事故に何回も遭ってるの?」
「それは……」
「本当に『幸運の天才』なら一生自分の身に危険というものが降り懸からないはずよ?」
神子さんは、そうでしょ?と言いながら2つの紙飛行機を作り始めた。
「いい?ジャンボ機の話だけど。例えば『冬木かえで』がそのジャンボ機に乗っていなかったらどうなっていたと思う?」
「……全員…死亡ですか?」
「違うわよ。目的地に辿り着いていたのよ。もちろん全員無事でね?」
神子さんが投げた1つめの紙飛行機は放物線を描きソファーへと着陸した。
「さて次は『不幸の天才』が乗った飛行機」
2つめの飛行機は放物線を描くことなく、ソファーの手前にあるテーブルにぶつかり墜落した。
「『不幸の天才』は周りを不幸にする天才なのよ」



「私が…『不幸の天才』…」
冬木かえではそう呟くとフラフラとよろめいた。
「冬木さんっ…!」
「近付かないでっ…!!えへへ…そうなんだ…じゃあお父さんとお母さんを殺しちゃったのも…ワタシ…?」

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