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GENIUS
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GENIUS 27

あの日を思い出す。
もう……過ちは繰り返さない。
今度こそは……
俺が死のう。
俺は事務所から出た。



まず『あいうえお』に向かう。
その途中で電話が来た。
「無色くん!!あのねっ…あのねっ…!!」
「神子さん…状況は分かっています。落ち着いてください」
「落ち着いてなんかいられないわよっ!色筆くんが逃げたのっ!」
「知ってます」
「そして場所を『発見』したの!」
「マジですか!?神子さん、すげぇ!!どこですかっ!?」
「落ち着いて、無色くん…」
はっ…神子さんにそれを言われるとは…。
「なによ…私が言っちゃ悪いの?」
「読心術はやめてください!!」
「とりあえず…死神ちゃんと恋を向かわせたから!」
「分かりました。神子さん、その2人の命は諦めましょう」
「え………?」
「相手を間違えないでください。死神ちゃんがまだ可愛く見えますよ…あいつに比べたらね!!」
「えっ…えっ…私も行く!!」
「殺されますよ?神子さんは『あいうえお』にいてください?」
「でも………!!」
「お願いです。つか場所は…?」
「場所は……ぶな工場…跡地」
「ははっ…!!」
『あいうえお』とは逆方向。
踵をかえしながら、思わず笑ってしまう。
それは、最高のステージだ。
友達じゃなくなった……あの場所じゃないか。
「無色くん…?」
「OK。ありがとう神子さん」
電話を切る。
テンションが上がってきた。
死神ちゃんと恋さんは…殺されることはないかもしれないが、正直……相手が違い過ぎる。
まずは走ろう。
あいつを止めに。



ツーツー。
あいつ…電話を切りやがった。
まぁいい。
もう少しで『E』が来るだろう。
『E』は確か『消去の天才』だったな。
ポニーテールになると変貌すると聞く。
ということはだ。
ポニーテールにさせなきゃいい話だ。
それにしても無色は変わってしまった。
俺に対してあんなに強く出るとはな。
「ふん…友達じゃねぇから…か…」
ガラン!!
このラストステージに何者かが入る音がする。
さてと…少しばかり遊んでやろうか。
『必然の天才』の力を見せてやる。



「『必然の天才』ですか?」
「そう。無色くん、『必然』っていう意味、知ってる?」
「なんとなく、ですが」
「『必然……そうなると決まっていること』という意味よ?」
「決まっている……」
あの時。
薬による異常状態に陥ったはずみで、色筆は覚醒してしまった。
だから、俺と彼が友達じゃなくなってしまったのは……覚醒のタイミングが悪かったからだ。
いや、それも決まっていることなのかもしれない。
あの時、彼の天才が覚醒していなかったらどうなっていたかなんて、誰にも分からないのだ。
「それにしても…『O』のわりに静か…というあまり異常に見えないわよ」

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