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GENIUS
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GENIUS 22

「ツバキを…抜けさせてください…」
「あん?イロちゃんは自分からここに来たんだぜ?」
「それでも…です」
悪い連中は俺を嘲笑う。
知ってる。
その笑い方は知ってる。
「お願いします」
「うるさい」
「ぐっ…が…」
ついに殴られ始める。
でも諦めちゃダメだ。
ツバキは…俺が救う。
「お…お願いしますっ!!」
「黙らせろ」
俺はボコボコにされた。

もう立ち上がることも出来ない。
全身が痛い。
どこか骨が折れてる。
息をするのも辛い。
でも俺は…諦めちゃダメだ。
「おね…がい、し…ます…」
「うぜぇ…」
水をバシャンとかけられる。
あぁ…冷たい。
すると遠くでガタンと音がして
「サイキっ!!」
ツバキの声がした。
「ちっ…おい、イロちゃんを取り押さえろ」
「ぐっ…離せっ、離せよぉぉぉっ!サイキっ!!大丈夫か…!?」
ツバキが取り押さえられてるのが微かに見える。
「てめーら…サイキに何をしやがった?」
「怪しい奴等をボコるのはいつもやってんだろ?今更、何言ってんだよ?」
クククッと奴等が笑う。
「サイキっ…なんでそんなことしたんだよっ…!?」
馬鹿か。なんで分かんねーんだよ。1つしかねーだろ。
「…っ…とも、だち…だから」
全身の痛みに耐えて、これだけはちゃんと伝えたくて、大事に言った。
「……っ……サイキ…」
「くははははっ!聞いたかおい?友達だから…だってよ!マジウケる…!」
奴等が笑う。
「笑うなっ…笑うなぁぁぁ!」
ツバキは暴れるも、殴られてガッチリと押さえられる。
「友達とか…マジ青春だな、コルァ!んなわけねーじゃん?イロちゃんは君より俺らを選んだんだよっ!」
蹴られる。
もう痛いのか分からない。
それよりも心が痛かった。
「この前、イロちゃん言ってたよな?サイキとはもう友達じゃねぇって」
「言ってねぇ!言ってねぇ!!サイキっ…聞くなっ…!」
「おい必死に否定すんなよイロちゃ〜ん♪他になんて言ってたかな?確か……ヤク漬けにしたい…だっけ?」
そいつはニヤリと笑い、仲間に注射器を用意させた。
「おいっ、やめろっ…やめろよっ!マジそれはシャレになんねぇじゃん?やめてくれっ…サイキにだけは、頼むっ!」
ツバキが必死に制止させようとする。
そうか…俺は今から狂わされるんだ。
「…や、れ……」
「サイキっ…?」
「俺を…ヤク漬けに、しろ…」
「何言ってんだ!マジでヤバいやつなんだって!それをキメるともう戻って来れなくなんだよっ!」
「そのかわり…っ…ツバキを…抜けさせ…て…くれ」
これが俺の最後の願いだから。
「本人公認出ちゃったよー?イロちゃんは愛されてるねぇ?もしかして…そういう関係だったか?ぎゃはは!」
もういい。
好きにしてくれ。
だから…ツバキだけでも助けたい。
「ぎゃはははは!さてと…どうするよイロちゃん?そうだな…1つだけチャンスをやるよ」

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