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GENIUS
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GENIUS 21

トンボに噛まれると痛い。
今まで僕は何をやっていたんだと思えるくらい毎日が華やかに見違えた。
僕に対してのいじめも無くなり、ツバキ以外の友達もたくさん増えた。
ツバキが……僕を救ってくれた。
そして僕…いや、俺とツバキは小学校を卒業、中学校に入り卒業、同じ高校に入った。
「サイキ、クラスどこ?」
「A。ツバキは?」
「なんだよ。俺はB。とうとう離れちまったか…」
「あの時から今までずっと同じだったのがありえなかったからな…?俺がいなくても頑張れよ」
「うるせー、それは俺のセリフだっつの」
俺は神様がいたら呪うだろう。
あの時どうしてツバキと同じクラスにしてくれなかったんだ…って。



「ツバキ、帰ろうぜ?」
「わり…用事あるわ。また今度な?じゃ!」
「あ…おう。じゃ…」
高校2年生になり、またツバキと違うクラスになる。
ツバキは付き合いが悪くなった。
今まで当然のように一緒に登校、下校していたのに、最近はそれも無くなってきた。
もちろん俺もツバキ以外の友達はいる。
でも一番はツバキだ。
ある日、ツバキについて良くない噂を聞く。
どうやら悪い連中とつるんでいるらしい。
「ツバキ?なんか…タバコ臭い…」
「あぁ、吸ってた」
「吸ってたって……まだタバコはダメだろ」
「うっせーな。気分転換だよ気分転換。サイキもどうだ?」
「俺はいいや…」
ツバキが学校に来ない日が増えた。
悪い連中、に付きっきりらしい。
「お…サイキ?久しぶりじゃん?」
「ツバキ…学校に来いよ」
「いや、それよりもさ。楽しいことあんだよ!」
「楽しい…こと?」
「コレだよ…やべーぞ?」
ツバキは白い粉が入った袋を取り出した。
「ツバキ…これって…」
「あぁ…すげー楽しくなんぞ?」
初めてツバキを殴った。
「いってーな!」
「ツバキっ…どうしたんだよ!ダメに決まってんだろ!早く捨てろ!」
「………うるせー。せっかく誘ってやってんのによ」
ツバキはふて腐れ、俺を殴った。
「ぐっ…なんだよ…」
「一発は一発。じゃ」
ツバキは手を挙げて去っていった。
それは明確に……俺から去っていった。


-ending-


ツバキが学校を退学した。
俺は決意した。
今度は俺がツバキを救ってやる。
小学の時、1人ぼっちの俺を救ってくれたように。
まずは悪い連中がいつも集まっている場所を調べた。
「あー…あの連中ね?」
「分かりますか?どこにいるのかとか…知っていることなんでも教えてくださいっ!」
「うん、連れてってあげる」
バチッ。
首筋に鈍い痛みが走る。
俺は罠にはめられた。

気付いたら分からない場所にいた。
「おい、起きたぜこいつ」
声のほうを見ると、悪い連中の奴等が集まっていた。
ツバキは……いない。
「知ってるぜ、お前。サイキ…だろ?イロちゃんから聞いてる。俺らの場所をなんで調べてんだよ?」

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