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GENIUS
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GENIUS 16

「……できるだけ、ここを離れてください…」
「……分かった。死神ちゃん……」
こういう時に言葉が出ない。俺が凡才だからだろうか。
「…無色くん。今朝起こしてくれてありがとう…」
また死神ちゃんはフッと微笑んだ。



死神ちゃんと離れ、『E』の部屋から離れる。
今まで無言だった恋さんがようやく喋る。
「……無色。死ね」
「…死にそうです」
「心配するな。今まで見てきただろう?死神の凄さを。死ね」
「見てきましたが…今回は相手が悪い…」
「ふ…相手なんて関係無い。ポニーテール時の死神はな。死ね」
「どういうこと…ですか?」
「くくく…7年前の死神は本当の死神だったって話だ。死ね」
恋さんは含み笑いをする。
俺はその意味を知らずにもう一度『E』のドアを見て、離れた。




「もうお別れの挨拶は終わったのん?」
「……お別れはしません」
「お?ポニーテールも似合ってるわねん?」
「……ありがとうございます。1つ質問いいですか?」
「どうぞん♪」
「…どうして…私と決闘を…?」
「あぁ…死神ちゃん、元『E』らしいじゃん?私も『E』なのん♪どっちが『E』として相応しいのかなってねん♪」
なんだ…そんなことか…。
そんなことで私は…昔を思い出さなきゃいけないのか…。
「……『E』での最強が欲しいのなら…あげます…」
「ノンノン♪実際に倒さないといけないのよん♪」
「……そうですか。では始めましょう」
思い出そう。
あの地獄のような日々を。
思い出そう。
7年前の自分を。
美優だった……本当の死神だった私を。
「ヨーイ……ドン♪」
決闘の火ぶたが切って落とされた。



俺は7年前の死神ちゃんの話を恋さんから聞いた。
「じゃあ……死神ちゃんのお父さんとその男の人を消したのは…」
「…分からん。死ね」
「…分からない?どうしてですか…?」
「…死神が言うには『いなくなった』だからだ。あいつが『消した』のか分からん。確かにあいつは『消去』させることができる。だが、本当に『消去』させたのかは誰にも分からないんだよ。死ね」
「そんなの…死神ちゃんに聞けば…」
「……教えてくれないんだよ。その時のことだけな。それに…聞けないだろ。あいつにとって一番嫌な思い出だぞ?死ね」
「それは…そうですが……」
「とりあえず、あいつは孤児になった…が、孤児院には入れなかった。死ね」
「『異常天才』と見なされたんですね?」
「そうだ。しかも『E』。その時はまだ『A』と『U』しかいなくてな、管理人になったばかりの私はビクビクさ。そしたら髪型がポニーテールの可愛い女の子が来た。死ね」
「それが死神ちゃんだった?」
「そう。しばらくは大人しかったのだがな。ある日、かんしゃくを起こしたかのように周りの物を次々と『消して』な。理由を聞くと、お母さんに会いたい、と言った。死ね」
「死神ちゃんのお母さんは確か……死神ちゃんを置いて逃げたはずじゃ…」

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