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GENIUS
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GENIUS 15

いや、提供せざるを得なかったからではないか。
「じゃあばいばい♪」
いつの間にか小森もみじの右手には銃があり、先程の死神ちゃんのように、ノータイムに俺に向け引き金を引いたのかバンッと音がした。
「……………死んで、ない…?」
「さすが死神ちゃん♪咄嗟の弾の『消去』が間に合って良かったわねん?」
「……ふざけないでください…」
どうやらまた死神ちゃんに命を救われたようだ。
それにしても、小森もみじの『異常天才』がなんとなく分かってしまった。
「…小森さん……?」
「もみじちゃんで良いわよん?なに、無色くん?」
「攻撃が最大の防御…君にとっては攻撃が最大の『防衛』か……この言葉、もしかして大好き?」
「無色くんはたまに頭が良いって聞いてたけど…本当ねん?そう…私は攻撃が大好きなのん♪」
片手に持つ銃を見せつけるようにフリフリと振る。
小森もみじが『異常天才』に選ばれたのは、その攻撃性からではないか。
普通、『天才』の能力が『異常』であるがために『異常天才』と見なされる。
しかし今回は小森もみじ自体の性格が『異常』であった。
おそらく『天才』として自覚したのはつい最近なのだろう。
そして思ったはずだ。
『防衛』が完璧なら、いくら攻撃しても私が傷つくことはない。
今まで、反撃されて痛い目を見るのは嫌だ、というダムがあったのだが、『天才』のせいでダムは決壊した。
こちらが攻撃しても意味が無いのに、あちらの攻撃は痛いほど通じるワンサイドゲーム。
あちらのターンはあるのに、こちらのターンはないのだ。
「さてとん?じゃあそろそろ本題に入るわよん?……私がしたいのは、死神ちゃんとの決闘よん♪」
「決闘……?」
「そう♪二人だけでヨーイドンで殺しあうのん♪」
それは……あまりにも死神ちゃんに不利。
「ちょうどこの部屋でいいよん♪決闘に応じてくれたならこの縛られてる2人と無色くんは解放するよん?」
「……分かりました」
死神ちゃんが即答する。
「死神ちゃん!!……なんで…」
「おそらく選択肢はありません…。これに応じなければ彼女は力ずくで私と2人きりにしようとするはずです」
「もちろん♪」
銃をこれみよがしに見せつける。
「……それに、みんなを助けれるから…」
フッと死神ちゃんが微笑んだ。
それは…とても美しく、優しい笑顔だった。



神子さんと恋さんが解放され、俺と一緒に『E』の部屋から追い出される。
死神ちゃんも小森もみじに「最後の挨拶をしてきなさいん?」と言われ一緒に出る。
「…死神…ちゃん……」
「…大丈夫です」
「死神ちゃん、なんとかなるの?さすがにお母さんでも…今回は分からないよ?」
「…はい。お母さん……ゴム…ある…?」
「え…うん、はい…」
神子さんから渡されたゴムで、死神ちゃんは背中まである髪をポニーテールにする。

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