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迷宮の
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迷宮の 2

遂にアサミは眠ろうとし始めた。この行為は睡眠欲を持たない彼には苦痛以外の何物でもないが、する事が無いまま覚醒しているよりはましだと判断したらしい。
アサミが悪戦苦闘している間に迷宮の事をもう少し説明しよう。
 
この迷宮では、他と違う破壊不可能の壁が何層も中心舞を囲んでいる。その数は最外壁を含み五。
その壁に挟まれたエリアをレベル1〜5と呼ぶ。壁には複数の門があり、何らかの条件をクリアすると通過できる。まだ二つの壁を壁を越え、レベル3に辿り着いた者はいない。
そして…む…アサミが起きてしまった。
アサミの呼吸音しか音がない部屋に、突如扉の開く音が響いたのだ。
物語はまた進行を開始する。
アサミは何かを探す様に無駄に大きいテーブルを見る。
 
「あった」
 
それは青色透明の宝石のような物。これは単純に“石”と呼ばれている物で、部屋を攻略(?)した際に手に入り、門で出される条件に関わる。因みに部屋の性格により様々に色が違ってくる。
アサミは“石”を掴むと、こんな所はうんざりだとばかりに足早に部屋を立ち去った。
アサミは体に染み付いた退屈を追い出すかのように早く歩いた。細い通路を何度も曲がり、幾つかの扉を無視する。
通路には危険は殆ど無い。危険は扉の向こうにある。安息もまた然り。だからこそ部屋選びは勘がものを言う。
四つ目、五つ目を無視。
…六つ目の扉でアサミは立ち止まった。彼は入るべきかか入らぬべきかで迷い、暫く扉の前で立ち尽くした。
 
この隙に更に説明を進めよう。先程レベルと言ったが、これは最初に言った原始的欲求のレベルでもある。つまり、中心に近づく程に腹減ったとか眠いとか感じるようになる訳だ。
後、レベル5で感じる原始的欲求は、我々普通の人間の半分までである。
エリアについてだが、レベルが進むにつれて、エリアの面積が減るのではないかと思った人もいるだろう。それについては、実際面積は減る。しかし、異次元率が高くなるので精神的に広く感じる事になる。異次元率については後で説明する。
 
 
…決めた様だ。そっとノブに手をかけ、思い切って開ける……
アサミの目に入ってきたのは、何も無い白い部屋だった。
アサミはハズレかと去ろうとしたがその時。
 
『・・・・・・』
「ん?誰かいる?」
振り向いたが当然誰もいな…
 
「え!?」
 
いと思った瞬間、ドサリという音と共に倒れた状態の少女が現れた。
 
「だ…大丈夫?」
 
アサミは慌てて抱き起こす。
 
「あり…がとう」
「え?」
「私、何処かに飛ばされてて…帰還条件は誰かがこの部屋に入ってくる事で…」
「そうかこの部屋は…成程」
 
アサミは、彼女がどんな所に飛ばされていたのかは聞かない事にしておいた。
因みに異次元率とはこんな部屋がある確率の事である。
アサミは少女が落ち着くのを待ってからお互いに自己紹介した。

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